“スポーツ観戦離れ”する若者たちの本音「おじさんを見てもつまらない」「他人を応援する意味が分からない」

村上選手の活躍で日本が熱狂の渦に包まれる昨今。一流アスリートたちの躍動をリアルタイムで楽しめるスポーツ観戦。特定のチームや選手を応援し、時にその活躍に感動することもある。そうした醍醐味がある一方で、若い世代を中心に、スポーツ観戦をしなくなったという人もいる。なぜなのか。実際に“スポーツ観戦離れ”した若者たちに事情を聞いた。

「コスパが悪く感じる」
 IT企業に勤める20代男性・Aさんは、父親が野球やサッカーのテレビ中継が好きだったことから、実家ではなんとなくスポーツ中継を見ていたし、実際に試合会場に足を運ぶことも多かった。しかし大学を卒業し一人暮らしを始めると、仕事中心の生活になったこともあり、見る機会が激減。現在は「ニュースは政治経済だけで十分」というレベルに至ったそうだ。
「時間を投資して見るのであれば、見返りを求めてしまうんです。それなりの“リターン”がほしくなってしまう。お金を出してチケットを買ったり、テレビの前で時間を費やしたりしても、何も得るものがないし成長しないと感じてしまいます。
中継動画とか、見逃し配信で見るという手もあるのかもしれませんが、それならもうネットニュースで結果だけ知ればいい。正直、たまたま『大谷翔平』が目に入って『またホームラン、活躍してるなあ』と知ることができれば十分だし、それで満足できるようになりました」(Aさん)

「TikTokライブ」ならハマるのだけど…
 メーカーに勤務する20代女性・Bさんは、かつては親と一緒にテレビでスポーツ観戦することも多かったが、最近はまったく見なくなったという。その一方で、TikTokライブにハマっているという。
「TikTokライブもスポーツ観戦も、どちらも他人の動画を見て楽しむものですよね。なのに、私はTikTokライブにはわくわくするし楽しさを感じるけど、スポーツ観戦にはあんまり……。 “勝敗”というよりも、エンタメ性を求めているのかもしれません。もちろんスポーツ観戦も良いところはありますが、おじさんより可愛くてオシャレな女の子が好きなので、スポーツ選手と違い、ダラダラと見ていられるのかもしれません」(Bさん)

 Bさんは、ネット配信はスポーツ観戦以上に、さまざまな形でエンタメを享受できるものだと実感している。

「ネット配信をする人は、実況者でありながらプレイヤーでもあり解説者でもある。視聴者のコメントにレスポンスもしてくれるし、時には相談なんかものってくれる。その点、スポーツ観戦は、いくら見ても“入り込めない”んですよね」(Bさん)
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