東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で、スポンサー企業の出版大手KADOKAWA(東京)から計約7600万円の賄賂を受領したとして、
東京地検特捜部は6日、受託収賄の疑いで、大会組織委員会元理事の高橋治之容疑者(78)を再逮捕した。

贈賄の疑いで、KADOKAWAの専務取締役を務めていた芳原世幸容疑者(64)ら2人を逮捕し、東京都千代田区の本社を家宅捜索した。角川歴彦会長(79)宅も捜索した。

受託収賄容疑で、KADOKAWAが資金提供していたコンサルタント会社「コモンズ2」(東京)の代表深見和政容疑者(73)も逮捕した。

コモンズ2は広告会社大広(大阪)からの資金の受け皿にもなっている。深見容疑者は広告大手電通の出身で、同社専務を務めた高橋容疑者の後輩に当たる。

特捜部は、高橋容疑者や紳士服大手AOKIホールディングスの前会長青木拡憲容疑者(83)ら3人(贈賄容疑で逮捕)を起訴した。

特捜部はKADOKAWAと大広への捜査を本格化させ、深見容疑者から資金受領の経緯を確認する。

KADOKAWAは2019年4月にスポンサーになった後、コモンズ2に資金を提供。
深見容疑者はKADOKAWAの意向を受け、スポンサーに後押しするよう高橋容疑者に依頼し、同容疑者が組織委側に働きかけたとみられる。資金はその見返りだった疑いがある。

大広からの資金は1000万円超が高橋容疑者の賄賂の可能性がある。
大広はスポンサーになったサービス関連企業の「販売協力代理店」となっており、高橋容疑者側が組織委側に、大広を使うよう依頼したという。
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