1998年にデビューしたモーニング娘。も「LOVEマシーン」以降、数作ミリオンセールスが続き、アルバムも含めてまだまだバンバンCDは売れていました。
2000年に入ってからは露出に対して、セールスの動き鈍いなぁと思うこともありましたが、「モーニング娘。自体にお茶の間が飽きが来てるからかなぁ、仕方ないな」って、サラッと流してました。

しかし、僕の記憶ではっきり確信したのが、2002年のこと。ガツンと頭を打ったようにCDの流通に異変が起きました。

手応え、露出、人気を含めて、どう考えても、3年前ならミリオンヒット間違いなかったはずの松浦亜弥が、ミリオンヒットに及ばなかったんです。
ここでひとつの時代の移り変わりを痛感したことを、とてもよく覚えています。
特に「♡桃色片思い♡」からの「Yeah!めっちゃホリディ」は、浸透度を含め、間違いなく手応えがあったのに、です。

思えば、2000年あたりから各レコード会社が定番化させていったのが、数種類のCDジャケットでリリースする手法。
初回予約用のCDジャケットと、その後から一般流通するCDジャケットを、2種類販売するという発想から始まっていきました。

これは日本人のコレクター魂というか、レコード時代の名残というか。基本的には、レコード時代は1曲に対して当然レコードを1枚買うわけです。当たり前です。
ですが、熱狂的なファンは、レコードというのは聴くほどにすり減るので、針を落とす用のレコードと、
買ったままの袋に入れたまま1回も取り出さない保管用のレコードの2枚買う人もそれなりに居たんです。僕もそうでした。

なのでCD時代も、触る用と保管する用という意味で2種類が存在することは、感覚的に理解していました。

しかし、2000年あたりからレコード会社もCDジャケットを「今回は4種類作りましょう」とか、「6種類作りましょう」とか、
ついには「封入するカードを12種類ランダムに入れて行きましょう!」みたいになってきて、
「いくらなんでもそれはファンに対してあこぎじゃないか!?」と、僕もかなり揺らぎました。
ファンとしては、ジャケット違いも全部持ってたいと思うのが真理ですからね。それでも、ジャケット数を増やせば、確実に売り上げが伸びるのも事実で、日々葛藤してましたね。

(その頃、CDのセールス論に新たなる発想を用いてAKB48グループは発展していきました。あれよあれよという間にミリオンヒットもバンバン出して、あっぱれです。
ビジネスというのは、頭の根源を変更しないといけないんだなと実感しました……この話は、また別の機会にさせていただきましょう)
https://note.tsunku.net/n/ne23f55b50911