しかも1週間前に野党議員が同じ交差点での演説を申請したら警備上の理由で許可は下りなかった。そこに長野の候補者のスキャンダルを嫌った安倍氏が急きょゴリ押しで奈良にやってきた。これらの事実の積み重ねがなかったら。いや、そもそもあらゆることのゴリ押しを通してきた「言い出したら聞かない」子だった安倍氏の横暴を全て通してこなかったら。

 そして何よりも安倍氏が、関連団体のビデオレターで代表に敬意を示すという一線を越えていなければ。

 いやいや、それらの傲慢の一つ一つを、諭し、やめさせるイエスマンではない存在がそばに居さえすれば。

 どれか一つでも違っていれば、あの凶行は起きなかったのではないか。いや、今日は断言するのだった。あの事件は決して起きなかったのだ。

(ラサール石井/タレント)