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イギリスの高級スーパー「ウェイトローズ」は1日、食品廃棄物削減の取り組みとして、数百の商品を対象に賞味期限の表示を9月から廃止すると発表した。同国のスーパーではこうした動きが広まりつつある。

9月から賞味期限の表示が廃止されるのは、根菜類などの野菜、ぶどうやリンゴといった果物など約500品目の生鮮食品。観葉植物も含まれる。

ウェイトローズを所有するジョン・ルイス・パートナーシップの持続可能性および倫理担当ディレクターのマリヤ・ロンパニ氏は、「我々の商品から賞味期限をなくすことで、食べても大丈夫かを顧客自身に判断してもらう。その結果、食品がごみにならずに食べてもらえる機会が増えることになる」と述べた。

イギリスの環境保護慈善団体「Wrap」によると、毎年450万トンもの食用食品が廃棄されている。

同団体のキャサリン・デイヴィッド氏は、「食品を無駄にすれば気候変動を助長し、人々の出費につながる。果物や野菜の賞味期限は不必要なもので、食品廃棄物を生み出している。まだ食べられるのかを見極める際の、判断を妨げているので」と述べた。

消費期限は、腐りやすい食品を安全に調理・消費できる期限を示すもの。一方で賞味期限は、品質や味、食感が最もいい状態で楽しめる期限を示している。

英食品基準庁(FSA)は賞味期限と消費期限のどちらを表示するかは生産者の判断にゆだねるとしている。食品の生産方法やリスクの程度などで判断は異なる。

英スーパー最大手テスコや小売マークス・アンド・スペンサー(M&S)も、一部商品の賞味期限表示を取りやめている。

テスコは2018年に100以上の商品の賞味期限表示を廃止。M&Sは今年7月、300以上の果物や野菜の賞味期限表示をなくすと発表した。

今年1月には、英スーパーのモリソンズが自社ブランドの牛乳の90%から消費期限表示を廃止し、商品を捨てる前に「臭いを嗅いで確認」するよう顧客に求めた。

また、4月には コープ(生活協同組合)が、自社ブランドのヨーグルトの消費期限表示を取りやめ、ガイダンスとして賞味期限表示に切り替える計画を発表した。
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