だが私は早い時期から安倍氏が日本を普通の国にすることを目指している、という確信があった。
主権国家として自らを守るという国家安全保障面での自明の権利を否定し、自分の手足を縛りつけている半国家の日本を民主主義の正常な独立国家にするという志向だった。

この志向は保守でもナショナリズムでもない。もちろん軍国主義でもない。日本を他の諸国と同様のバランスのとれた主権国家にするという目標への自然な動きだった。
近年の日本は経済の繁栄、社会福祉の整備、国内の秩序、安全、さらに何よりも国民の民主主義的な自由と権利などが保証された立派な国である。