安倍派が反発を強めたのは、甘利氏の20日のメールマガジンがきっかけだ。

この中で甘利氏は、安倍派について
「『当面』というより『当分』集団指導制をとらざるを得ない。
誰一人、現状では全体を仕切るだけの力もカリスマ性もない」と指摘した。

これに安倍派最高顧問の衛藤征士郎・元衆院副議長は、21日の同派会合で
「こんなに侮辱されたことはない」と激しく反発。

派内では、他にも「甘利氏こそカリスマ性がない」などと批判する声が相次いだ。

党は甘利氏の演説を検討したのは「安倍氏の遺族の意向を踏まえた」ためだとしているが、
同派から「なぜ安倍氏が残した派閥をばかにする甘利氏に、演説させるのか」
「国民の気持ちは、甘利氏ではない」などの声が漏れた。

反発は安倍派のみならず、党内の他派閥にも広がり、
党執行部には「いつ甘利氏に決めたのか」など、再考を求める意見が寄せられているという。

党内では、甘利氏に代わって第2次安倍政権で安倍氏を官房長官として支え続けた菅義偉前首相や、
岸田文雄首相による演説を求める声があり、
野党からは野田佳彦元首相らを推す声が出ている。