リング上の事故はどうなくせばいいのか。プロレス界が今、大きな岐路に立たされている。
ゼロワンの4・10両国国技館大会で、大谷晋二郎(49)がコーナーへのスープレックスでたたきつけられた後、動けなくなり、病院に救急搬送された。
頸髄損傷と診断される重傷で、現在も入院しながら闘病生活を送っている。マット界で相次ぐ名のあるレスラーの事故。
同大会でアンバサダーを務めた蝶野正洋(58)に対処法を聞いた。

 当日、解説席から大谷の試合を見ていた蝶野は「体調は良くないのは分かっていた。
メインイベントの、あの試合をするレベルの体調ではなかったと思う。
歳とキャリアとけがの状態からいえば、あそこに上げるべきじゃなかったよね」と話し、試合は回避すべきだったとの見方を示した。



 蝶野が挙げたのは3つの改善案だ。

1)選手同士の情報の事前共有

2)主催者側の責任の明確化

3)レフェリーの独立

 1)について、蝶野は「レスラーの健康状態を全部チェックしたら、けががない選手は誰もいない」と断言する。
自らも首に爆弾を抱えながら長年、闘ってきた。大なり小なりの負傷を選手が抱える中で、それを前もって共有するシステム作りが必要と訴える。
闘う前に、選手同士が故障個所の情報を共有することも「俺はそれはあっていいと思う」と容認する。

「けがをさせることが目的ではないんだから、もし相手の故障箇所がある程度分かっていれば、そこは攻めずに試合を組み立てていけばいい。
事前にある程度の情報をお互いに知っておくことでも全然変わってくると思う」と話した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5b8eb1cee838208cb2b87bfc7f10a3d4dd8d921f