https://friday.kodansha.co.jp/article/243050
https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/c_scale,dpr_2,f_auto,t_article_image,w_664/wpmedia/2022/05/29ce0fe8cee2b57e3d8d852a0217e59f.jpg
「『焼きペヤングメーカー』を開発したキッカケは居酒屋での笑い話でした。『インスタントのカップ焼きそばって実は焼いてないよな』って話になって。
そこで帰りにカップ焼きそばを買ってフライパンで焼いてみたらすごく美味(うま)かったんです。その瞬間、『これだ!』と思いましたね」
ペヤング専用ホットプレートという超ニッチな商品を世に送り出したのは『ライソン株式会社』(大阪府)の代表取締役、山俊介氏。
同社ではほかにも直径10㎝のビッグなタコ焼きが作れる鉄板などを販売している。山氏が続ける。
「当社は『世界初の商品を作る』ことを掲げてきました。ペヤングさんを選んだのは、コアファンが一番多いブランドだと考えたから。定価2980円(税抜き)で、現在まで5万7000台以上を売り上げ、うちのトップセールスを記録しています」
しかし発売までは苦労の連続だった。
「当初は社内でも冷ややかな目で見られました。『そんな売れるんか』とか『わざわざ焼いて食いますか』とか……。
販売ルートも苦労しました。当初は大手雑貨店やディスカウントストアが置いてくれると楽観していただんですが、『こんなもの本当に売れるの?』と仕入れてくれなかった。
転機となったのは開発資金調達のために行ったクラウドファンディングでした。50万円の予算を集める予定で行ったんですが、500万円も集まった。
それで『いける!』という手ごたえが得られましたね。汎用性の高いサイズや機能を付けることも考えましたが、それでは多くの類似商品に埋もれてしまう。腹を括って一点張りで勝負しました」