https://www.dailyshincho.jp/article/2022/05040803/
このとき新潟局にとって救世主的な存在が現れた。過去に紅白歌合戦のプロデューサーも務め、AKSや秋元康氏と太いパイプを持つNHK関連会社に籍を置くベテランのIプロデューサーだ。
遡ること2年。毎年行われていたAKBグループの総選挙でNGT48の荻野由佳さんらが初めてベスト10に入る躍進を見せた際、私が新潟ローカルの番組で特集として取り上げたのがきっかけだった。
当時の新潟局にAKBとのパイプがあろうはずもなく、BS放送でAKBの番組を制作していたIさんに映像提供の橋渡しをしていただいた。
それ以来、全く連絡を取ったこともなかったので、それこそ虫のいい相談だったが、取材が難航する中、Iさんに連絡したところ、二つ返事で協力していただけることになった。
このサポートがなければNHKのNGT48報道は惨敗だっただろう。何しろ民放が連日放送していたNGT48のプロモーション映像すらNHKは入手できていなかった。
AKSからすればNHKの地方局など眼中になく、再三にわたって映像提供やコメント取材を依頼しても「担当者が不在」などの1点張りで相手にされていなかったのだ。
ところがIさんが仲介を始めた途端、ガラリと対応が変わった。「Iさんの手まで煩わせて申し訳ありません」とIさんに謝罪のメールを送るとともに新潟局の依頼に対応してくれるようになったのだ。
こうした経緯でNGT48のプロモーション映像の入手や騒動に対する最低限のコメントは取れるようになった。
その後もIさんは新潟局の記者がキャッチできない東京のAKSに関する情報をしばしばショートメールで私に知らせてくれた。
休日に突然、全く無警戒だった情報を送っていただき、慌てて出局して夕方のニュースに突っ込んだこともあった。
また、東京で突然開かれることになったNGT48の参加するAKBグループのコンサート会場に新潟局の記者が入場する手配をしていただいたこともあった。
新潟局からすれば足を向けて寝られないほど一方的にお世話になったと言っていい。