パパ活という「自助」

女子学生たちが続々と参入するパパ活は、お父さんが娘の世代に恋愛を求めて肉体関係となったらお手当をあげる、という市場だ。一歩引いて少しマクロな視点で眺めると、日本はものすごく異常なことになっている。

日本は娘や孫に売春やパパ活をさせる、これは普通ではない事態だ。そして祖父世代はブルセラ少女を買い漁り、父親世代はパパ活女子とセックスを含めた交際をして喜んでいる。どうしてこんなことが起こるのか考えると、国民に指針を与える国が、娘や孫の売春やパパ活を推奨している可能性に思い当たる。売春は違法なので望ましくないが、富の再分配がされるパパ活はポジティブに考えているとしか思えないのだ。

2020年9月16日に自由民主党の菅義偉氏が「自助・共助・公助、そして絆」と国民へのメッセージを掲げた。そして、第99代内閣総理大臣に指名された。メッセージの内容は、まず自分でやり、できなかったら家族や地域が助け合って支えよう。本当の最後の最後にできなかったら、国がセーフティネットで守るという社会像だ。このまず自分でやる「自助」が具体的な現象となったのがパパ活だ。

パパ活をしないと勉強する権利を得られない

多くの若者たちは高額な学費によって、売春やパパ活をせざるをえない状況に追い込まれている。学費が高騰した理由は、そもそも国が高等教育の公財政支援を減らしたからだ。

公財政支援を減らした代わりに本人や家庭が負担することになった。収入が下がるなかで学費がどんどん上昇し、親は負担しきれなくなり、多くの若者たちは国が勧める大学奨学金の借金を背負った。そして、女子学生たちは最終手段として望まない夜職や売春、パパ活をせざるをえなくなっている。

女子学生たちは勉強するために、国が遠まわしに推奨する自助(パパ活)を頑張っている。

本当は将来の結婚相手と楽しい恋愛をしたいが、欲望に飢えた中年男性の恋愛対象となり、望まない性的関係を結ぶ。男性優位社会で優遇される中年男性の恋人や愛人、セックスフレンドになれば、勉強する権利を与えてあげよう――どうも、そんなことになっているのだ。

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