(続き)

タグチの数式で最も重要なのは、多変数関数(複数個の独立変数を含む)を
一般平均、主効果、および交互作用の和として表わす応答分解の式です。

.  ある一つの多変数関数( 独立変数1、 独立変数2、 ・・・ )

. ≡ 一般平均 + 独立変数1 の主効果 + 独立変数2 の主効果
.  + ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ + 各種の交互作用

この式の説明が厄介なために、いろいろな混乱が起こってきます。

実は、この式は、数理統計学の意味での、確率的な変動を含む式ではなく、
もっと単純な、確定的な変数だけを含む、完全に代数的な恒等式です。

タグチのパラメータ設計はこの式を 「応答」 にあてはめます。それだけ
ではなく、さらに、応答のばらつき 「変動」 にもあてはめます。

なお、どちらについても、各種の交互作用は、常に、0と勝手に仮定します。
そう仮定すると、分解の式は一般平均と主効果とだけで表わされ、計算は
いちじるしく簡単になります。これがタグチのセールス・ポイントです。

簡単にはなりますが、各種の交互作用を=0と勝手に仮定していますから、
計算結果は事実と一致しないかも。したがって、一致するかどうか、
そこは 「確認実験」 で確かめて、当たれば儲けもの、という考えです。

.                            (続く)