8.(続き)

  5. DrT.は電信電話公社在職中からそれをやってきました。日本産業の成長の秘密がその
  タグチ手法にあると偶然にも誤解されたのをいいことに、世界にも拡大しました。
  そこに矢野宏師という旗振り役が現われて通産省の組織を巻き込み、技術普及と称して、
  タグチを売りに売りまくったのです。誰もブレーキがかけられない。

  6. 権威・権力を尊重するのは社会の原則であり 「私」 も、常々、従順です。タグチが、
  どれだけ、売りまくろうと、そして、誰がどこでどれだけ儲けていたとしても、 「私」 に
  は関わりありません。水をさすつもりも、逆らうつもりも、ありません。

  7. ただ、 「私」 はタグチがどういうものか、勉強しても、さっぱり、わからなかった。
  こんなに宣伝され、こんなに大勢の人が心酔しているのに、です。だから、タグチが
  どういうものかはわかりたかった。古典実験計画法も含めてです。少なくとも、数理が
  本質らしい、とまでは見当がつきますから、いろいろ、勉強をしました。

  8. その数理がわかってみると、なぜ、わざわざ、目をそらさせるのか、わからなくなってきた。
  努力を続けるうちに、タグチを根絶するほかない、と思うようになったのです。

  9. タグチの数理部分 (=小・中・高等学校の算数では 「計算問題」 の部分) を、まず、
  しっかり、教えないといけない。実務課題の解決の訓練は、個別の企業・個別の現場で
  それぞれに実施するほかないので、個別の企業・個別の現場にまかせるほかない。

  a. その実務課題の解決には、タグチも、または、ほかのどんな手法も、使ってよく、または、
  どれかを使わなくともよく、その判断は個別の企業・個別の現場がすることです。     (続く)