(続き)
ここで、タグチ賛成派の方々からの御反論を「私」の覚え書きから書いておきます。

1.タグチ損失関数は、本来、複雑で求めにくいものを近似的に求めやすくしている。
それを苦情率関数で解釈してみても、また、複雑になるだけで、利益はない。

2.近似の妥当性はさまざまの実施例で確認されている。そういう具体的な裏づけも
せず、まったく抽象的に、新らしい苦情率関数を提案してみても、意味がない。

3.タグチ損失関数に基づいて JIS K7109 で規定されている許容差決定の
手順は、孤立して独自に与えられているのではなく、タグチ品質工学の体系の中で
組み立てられているパラメータ設計、許容差設計、などのタグチ手順の全体の大きな
体系の中で明確に位置づけられている。それをまったく無視して、まったく勝手に、
苦情率関数と称するものを、突然、仮定して、任意に議論するのは不当である。

4.市場の状況が不明でも JIS K7109 の手順を使えば許容差を定める
ことができ、新らしい出荷品を設計する場合の事前の吟味には便利である。
その重要な手順に対する配慮もなく苦情率関数を提案しても、誰も、利用できない。

お考えになれば、きっと、どの御反論も、実は、思い違いと、お気づきのはずです。
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