給付金詐欺“申請役“の女「不正の認識はありました」 今後は「貯蓄やNISAでコツコツ貯めます」

国の持続化給付金をめぐる詐欺事件で申請役とされる女の初公判が23日に行われました。女は金をだまし取ったことを認めた上で、今後は「貯蓄やつみたてNISAなどでコツコツ貯めていきます」などと話しました。

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黒のパンツスーツ姿で、法廷に入った佐藤凜果被告、22歳。「不正の認識は最初からありました」と、はっきりした口調で事件への関与を認めました。

これまでに東京国税局の職員ら17人が検挙されている詐欺事件は、このグループが新型コロナウイルスの持続化給付金およそ2億円をだまし取ったとみられています。

佐藤被告は、この詐欺グループで給付金の”申請役”をしていたとみられています。

給付金あわせて200万円をだまし取った罪に問われている佐藤被告。逮捕当時、警視庁の調べに「申請には関わったが不正受給だとか知らなかった」「報酬は一切受け取っていない」と、報酬はもらっていないなどと容疑を否認していました。

しかし、23日に行われた初公判で裁判官から起訴内容に間違いないか聞かれると、「ありません」と一転して起訴内容を認め、報酬についても「60万円ほどもらいました」と話しました。

佐藤被告は副業や投資に興味があり、イベントで詐欺グループのメンバーと知り合ったといいます。検察側から動機について聞かれると、「老後2000万円を貯めなくてはなどと、漠然とした将来への不安がありました」と話しました。

23日の初公判には情状証人として佐藤被告の父親も出廷し、コミュニケーション不足があったと話しました。

検察側から、父親の話についてどう思ったか聞かれると、佐藤被告は10秒以上沈黙したあと、「もっと頼ればよかったと思います」と、涙で声をつまらせながら後悔の思いを口にしました。

また、これからについては、「今後は貯蓄や『つみたてNISA』などを利用してコツコツ貯めていきます」と語りました。

次回の裁判は10月で、検察側による求刑などが行われる予定です。

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