「ちっ……」男は舌打ちをして去って行った。その後オレは恵に謝罪をする。
「悪かったな恵」
「ううん大丈夫だよ。私も起きていたから」
そう言うと櫛田が口を挟む。
「でも意外だったかも。綾小路くんって強いんだね」
「いや、そんなことはないと思うぞ。それにあの程度の相手なら誰でも勝てるはずだ」
実際殴られても大したことなかったしな。
「へぇーそうなんだ。でも綾小路くんって喧嘩慣れしている感じするよね」
「私も思ったわ。何か格闘技とかやってたりするの?」
「いや、全く」
2人の質問に対し正直に答える。嘘をつく必要もないからだ。
「そっかぁ……。ねえ綾小路くん、今度よかったら一緒に遊びに行こうよ」
「え?あ、いや、その……」
突然のお誘いに戸惑っていると、横にいた恵が櫛田に話しかけた。
「ごめんなさい櫛田さん。あたしたちこれから用事があるの」
「えっと、2人で遊ぶってことかな?」
「うん。今日約束していたの」
「そうだったんだ。それは残念だけど仕方ないね。また誘うことにするよ」
「ありがとう櫛田さん。じゃあ私たちは行くね」
「分かった。じゃあ明日学校で会おうね」
「うん、ばいばーい」
こうして櫛田との会話を切り上げオレたちは部屋を出て行った。

◆あとがき◆ 次回更新は10月20日(火)です