大気特論<排煙脱硫>
[石灰石スラリー吸収法]
(1)吸収剤・吸収条件
@吸収剤の主成分
石灰石(CaCO3)、消石灰(Ca(OH)2)、ドロマイトなど。
44μm以下に微粉砕したものが5〜15%含まれるスラリーで二酸化硫黄を吸収し、石こうを副生する方法。
A吸収条件
吸収塔では、排ガス中のSO2はpH6程度の吸収液と反応して、亜硫酸カルシウムや硫酸カルシウムを生成する。
このとき、亜硫酸カルシウムの方が硫酸カルシウムより多く生成される。
亜硫酸カルシウムはpH4以下にして酸化させ、二水塩の石こうとして回収する。

(2)スケーリング防止策
石灰石スラリー吸収法では、生成する亜硫酸カルシウム及び酸化によって生成する石こうは、水への溶解度が小さく、吸収液中で結晶として析出する。→スケーリングの原因
亜硫酸カルシウムの溶解度は酸性では大きいが、アルカリ性になると著しく小さくなってスケーリングを起こしやすくなる。
スケーリング防止策は以下の通り。
1)気相液に、亜硫酸カルシウムの種結晶を添加する。
2)スケールのつきにくい表面の滑らかな装置とする。
3)大きな反応槽を設け、スラリーの過飽和度を減らす。
4)スラリーが吸収塔内に滞留しないように吸収液を適切に循環させる。
5)デミスターは、常時水洗いする。
6)吸収液のpHは6程度に調整する。