しかし隠れた要件として、たい焼きというのものは「甘い」という
性質を持っていなければならないのではないかという疑念も
ある。
あんこの他に白あんを入れたもの、チーズを入れたもの、
抹茶で緑色になったものなど変種は数多いが、どれについても
少なくとも生地は甘かったと思う(知る限りでは)。
すると、たこ焼きの生地を使って焼き、ソースなどをかけてしまった
場合にはどうなるか。
たいやき型お好み焼きと称することはできるかもしれない。
しかしもはやそれはたい焼きではないように思われる。
すると、>>1の疑問は何かしら本源的なものを宿しているのではないか。

本源的な問いは、世の中ではとかく忌避されることが多い。
当たり前のものとして信じ、あるいは信じているふりをして
韜晦しているものが揺るがされ、不安をもたらすからである。
もしこの問いにあくまで拘泥しようというのなら、
中島みゆきの有名な曲「世情」にうたわれた
♪時の流れを止めて/変わらない夢を/見たがる者たちと/戦うため
…と、同じような苦労を覚悟しなければならないだろう。

とりあえず妥協案として、たこ焼きの生地を使ってたい焼きの
型で焼いた場合には、必ずカラメルソースかジャムを塗って
甘くしておくことを提案したい。たとえ欺瞞に満ちていようとも
世の中がスムースに回ることは大切なことなのだから。
それが「大人」というものなのだから。