究極の包丁研ぎを語るには、嶺の研ぎ方もポイントになる。
食材に対する使い方としては、サヨリの皮ひきとか、エソの手開きの前処理で骨と身の結合を緩める為に叩いて伸ばす時くらいしかないけど、
裏押しときっかり垂直に研ぎ抜く事で、人差し指を添えて持つ時に、刃線の位置を正確にイメージする為の基準面として機能する。
裏刃と接するエッジも裏刃の仮想平面を感触で認識する目安となる。精密金工ヤスリにハンドルが無いのと同じ仕組み。
また、出刃包丁は、45度毎の位相で180度の中で5通りに持ち替えて操作するが、包丁を振って頻繁に 瞬時に 持ち替えた直後にも自信を持って操作する基準となる。

新品の状態で、正確に垂直に嶺が研がれてる製品は存在しない。面が波打って歪んでる。
コレを正しく垂直に研ぎ出すには、電着ダイヤモンド砥石を使うしか無い。

石の砥石だと、砥石が酷く変形して面が歪む。

稀に嶺が丸く成形されてたり、エッジが丸くなってたり、ヒラに向けて傾斜が付いていたりするが、
本当にやめてもらいたい。違和感ありまくりだから、入手したらキッチリと垂直に削り直す。