インボリュート歯車について、とんでもない勘違いをしている人がよくいるので苦言を
教科書や論文書く人にまで結構いるので
すごく基本的なことなので、ここにいる中で詳し人には釈迦に説法になる可能性大です

2つの歯車にかかる伝達力の方向は、基礎円どうしの共通接線=作用線=かみ合い圧力角の傾きの直線に一致する
これを何も考えずに信じてる人がどれだけ多いか
大ケガこそしないけど、これって実は理論的な根拠があるわけではないと思う

インボリュート歯面どうしの接触点の描く奇跡は、確かに厳密に作用線上を通ります。でもこれは単に幾何学のお話。
では力の伝達方向が、常に作用線上にある根拠は? ものが動く方向と受ける荷重の方向は必ずしも一致しないのに
例えば球どうしの接触でも、いくらでも摩擦力を加えられるよね

暗黙の大前提がある
力の伝達方向と作用線が一致するのは、インボリュート歯面どうしの接触運動の摩擦力が完全に0と仮定した場合のみ
逆に実際の歯車で、力が作用線の方向に伝達されるということは、断じてない
実用上は問題なくても、基礎の議論でこれを前提に進める科書等があって、違和感が半端ではない

理論的な根拠がないというのは、なぜ摩擦力を0と仮定しても大して問題ないと思ったかということに対して。
(逆に、有名な文献でもしあれば、教えてくれたら嬉しいです)
それは、実際今まで作ってきたギヤが、伝達効率が極めて高いので、
摩擦力の影響をあまり気にしなくていいと判断したという所が大きいだろうと思う
でもこれは決して理論ではなく、経験的な根拠に過ぎないよね

誤りや別の理論があれば、どうかご指摘を…