http://megalodon.jp/2012-0128-1021-51/www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012012802000035.html
生肉提供 9割が不合格 新基準適用「ユッケだけ」誤解も
2012年1月28日 朝刊

厚生労働省は二十七日、生食用牛肉を取り扱う全国の飲食店や
食肉処理業、販売業計四百四十五施設への立ち入り調査で、
93・9%に当たる四百十八施設が、新たに定めた規格基準に適合していなかったと発表した。
同省は不合格の施設に生食用牛肉の提供を中止するよう、都道府県を通じて指導した。

厚労省によると、生食用牛肉を提供する施設は昨年五月時点で約二万施設あったが、
同十月の新基準施行で大半の施設が提供を取りやめていた。

調査結果によると、不合格の四百十八施設の中で、調理の基準を満たしていなかった施設は四百施設。
うち99・0%が「肉の表面の加熱殺菌」など、新たに義務付けられた加工処理を経ていない肉を調理していた。
また、「区別され、衛生的な専用設備で調理していない」が93・8%、
「衛生的な専用器具を使っていない」も70・3%に上った。

不合格だった施設の半数近くが、問題となったユッケは扱わず、牛タタキだけを提供。

厚労省の担当者は「新基準は牛タタキや牛刺しも対象だが、
多くの業者がユッケだけに適用される基準と誤解していた」と分析。同省は今後、あらためて新基準の周知徹底を図る。

新基準は、生食用牛肉を密封包装し、湯につけるなどの方法で表面から
一センチ以上深い部分を六〇度で二分以上加熱した後、冷却することなどを食肉処理業者に義務付けた。