国立精神・神経センター自殺予防総合対策センターは8日、
自殺者の23%がアルコール依存症など飲酒にかかわる問題を抱えていたことが、遺族への聞き取り調査で分かったと発表した。
同センターは「これまでは自殺とアルコールとの関連はあまり指摘されてこなかった。精神科医の知識も少ない」として、
精神科医のアルコールに関する診断能力を向上させるなど、対策強化が必要だと訴えた。
 同センターは2007年度から今年度末までの3年間に、自殺者100人について、自殺までの経緯を調べる計画。
これまでに集計した43人のうち10人にアルコール依存症か、飲酒により周囲とトラブルを起こすなどの問題があったことが分かった。
 10人は全員が30歳以上の男性。大半が40〜50代で、自営業者が多かった。1日の飲酒量の平均は、日本酒に換算して3.5合。
不眠状態で、眠るために飲んでおり、自殺時に飲酒していた人も4人いた。
また、多くが離婚や借金のトラブルに見舞われ、6人がうつ病などの精神障害を併発していた。(時事通信)