美味い酒、美味い酒肴、美味い蕎麦。
そしてよく気が付く綺麗な女将さんと物静かな店主。
上品なお年寄りやおとなしい子供連れの客が、
ゆっくりと流れる時間の中、決して騒ぎ立てたりせず、
静かに杯を傾け、そばを啜っている。
壁には
「本日のそば粉は茨城金砂郷産常陸秋そばです」
と達筆な文字で書かれた短冊がかかっている。
決して慢らず、しかし卑屈にならず、ありのままの自然体の接客。
値段も良心的。
入れ代わり立ち代わりお客が出入りするが、騒々しいわけではない。
そういうそば屋さんなら諭吉も喜んで懐から旅立っていくだろう。