>>104
お互いに古くからこの世界にいるみたいですねぇ。
混ぜ物国産オオは、例えば月刊むしのバックナンバーに堂々と載ってたりするから、お持ちならよく見てみると見つけられるかもね。

確かに直近の分岐はグランディスだが、最近は系統樹と分岐年代の近さ(遠さ)には、種類を決定付ける要素はないらしいことが分かってきてる。

例えば国産ヒラタとスマトラヒラタは分岐したのが100万年単位らしいが、簡単に交雑する。
これは(分類はさておいて)、規定の構造が変化していないからだ、と捉える向きがある。池田清彦『進化論の最前線』(2017)等を参照されたし。

YGに関しては浪漫と捉えるのもいいが、検証は必要かもね。他の血統を飼育する人達も、血統オオクワガタは人間が人工的に進化させたものであって、野外にいるものとは完全に別物、という認識が広まっている。と言うか意図的に発しているように思う。これは一種の予防線かもしれない。

小島氏によれば一部の血統オオクワガタは遺伝子レベルで変化している可能性が指摘されている。即ちGATCの並びそのものに変化が生じているかもしれないと。

これをつまびらかにできないのは、当然だが血統を扱う個人やショップの営業や名誉を妨げる可能性が高いからだ。国立環境研究所には国産オオクワの遺伝子データベースが作成、保存されているが、これらがパーフェクトなものとは限らないし、現在のシーケンサーで読み込んだら過去の記録が吹き飛ぶような「再発見」をしてしまう可能性を捨てきれない。

そんな薄弱な根拠で「DBと照合したら一部に違いが見られた、即ち交雑」なんて言いがかりでしかない。裁判になったら確実に負ける。

多くの虫屋が言いたいことは沢山あるのは分かっているが、一言居士まで含めたら意見の統合など永遠に見られないので、上記のような「落とし所」をつけた大人の回答なのかもしれない。

即ち、野外産も血統ものもどちらもそれなりに素晴らしいというスタンスを示すことで、平和的に住み分けようということだろうか。

ただし、能勢YGには血統作成者の言葉で理解に苦しむ点が指摘されている。以下、ビークワ40号、ご本人様の言葉を抜粋すると

@YGの原点は平山オオクワの能勢産F2で購入した幼虫3頭(♂は69ミリで羽化、時代は1997年頃)
Aアウトラインブリードをするために、他のショップから購入した能勢産や、知人が採集した能勢産の幼虫を譲り受けブリードする
B2003年に初めて80ミリが羽化、それ以降はインライン

私はAにどうしても疑義がある。ショップ購入はどかのショップなのか、知人が採集した能勢産幼虫はさすがに苦しい。
この時代は既に関西を中心にタイワンオオを意図的に混ぜた個体を販売していた業者が複数あり、更に三草山ではタイワンオオそのものが材採で発見された事例もあった。

また、関東でも虫研をはじめ、平成8年型と呼ばれるホペイがアンダーグラウンドで出回りはじめていた。虫研では1994年当時、普通にパラワンオオヒラタ、タイワンオオクワが売られていて、◯◯万円の値札が貼られていた。買えないけどさわって良いですか?と言って触らせてもらったのは私一人ではないはずだ。

この時代に野外産の能勢産幼虫と言うのは異物混入レベルで怪しくなってしまうのは、当時を知っていれば分かるでしょう。

まあその後は本家を離れ、多くのブリーダー諸氏が様々に研究?した結果今のサイズになったわけだが、私にはやはりこの点の疑問が解消されないと鵜呑みにはできなかったな。