東海道新幹線は五、六年でできたんですが、最近はどんどん長くなっています。中国のチベットと青海省を結ぶ鉄道なんていうのは、
海抜5,200mの希少な空気のところを通るんですが、わずか4年弱で造っております。日露戦争を急いだときのシベリア鉄道も、
全線4年でできているんです。そのぐらいのスピードでやらないと、鉄道というものは利子がかさむからできないと。帝政ロシアでもそう言っておりますし、
中国でもそう言っておりますから、この点は真剣に考えていただきたい。これは非常に重要なポイントです。
交通専門家は、交通専門家でなければわからないという思い込みがあります。これは一番危険なことでございまして、経営、金融の専門家がやはり中核に座るべきです。
あらゆる組織というのは、私の組織の盛衰を見ていただくとわかるんですけれども、一番最初にできた組織というのは技術長と事務長が完全分離から始まるんです。
これはエジプトの王妃の谷をつくったときに生まれたもので、日本でも大仏司と大仏造営司は別にできております。事務長の権限というのが圧倒的に強くやらなきゃいけない。
技術長の権限が強くなると、必ず失敗いたします。このこともまた重要なことです。それから、国粋主義に陥る。これは今、先生からもお話ございましたように、
日本の技術でなきゃいけない、我々でないとできないということを考えてはいけないということです