トリチウムに加えて、ルテニウム、コバルト、ストロンチウム、プルトニウムなど、放射性寿命の長いより危険な同位体がALPSプロセスをすり抜けることがあり、東京電力は2018年になってようやくこのことを認めた。
同社は現在、これらの追加核種がタンクの71%に存在するとしている。ウッズホール海洋研究所の海洋化学者であるケン・ビューセラーは、「これらの放射性同位元素は海洋中でトリチウムとは異なる挙動を示し、海洋生物相や海底堆積物に取り込まれやすい」と言う。

東京大学の海洋地球化学者である乙坂重嘉氏は、同位体が海底堆積物に蓄積され、海洋生物に拾われることを心配している。可能性は限られていますが、適切に評価することが重要です」と彼は言う。
ひとつには、東京電力の「再浄化」はまだ少量の水でテストされただけだということだ。処理性能を長期間維持できるかどうか」を検証する必要があるという。