■再犯防止「社会の問題として捉えて」

加害者への治療プログラムを提供している民間の支援施設「ふくおか心理教育オフィスヒュッゲ」代表の金谷大哲さんは、これまで医療機関や海外の医療NGOなどで、臨床心理士として活動してきました。欧米に比べ日本では、性犯罪加害者の再犯防止を支援する機関が少ないと感じています。

ふくおか心理教育オフィスヒュッゲ金谷大哲代表「海外は性的な問題行動を個人の問題と捉える日本と違って、社会の問題と捉えられています。社会の問題として再犯防止に取り組んでいるので、社会に戻ってくる性犯罪をして受刑している人への社会復帰支援などがとても具体的で、社会と施設が密着しているんですね。日本は反省、謝罪、そういったことを求める文化なのか、その人の問題という風に捉えて結論づけてしまって、”自分たちとは無関係のような問題”にしてしまう風潮が強いのではないかと思います。それは殺人であっても性犯罪であっても、覚醒剤であっても。地道にその人だけの問題じゃなくて、我々みんなの問題という風に捉えるような働きかけができるようになればいいなと思います。」

記者犯罪加害者にとってどのような社会になってほしいと思いますか?

ふくおか心理教育オフィスヒュッゲ金谷大哲代表「人間はみんなそんなに変わらないというか、同じような作用が積み重なって、同じような状況に陥ったときには、人間誰しもその行動に着手する可能性が0じゃないかも知れないと僕は思っています。自分のことのように、人の問題行動を捉える社会になっていてほしいなと思います。」