●外国人の名札をつけたら、「過剰な要求」が消えた

さて、そのAさん、ある勤務先で、以前勤務していたとみられる外国人の名前が入った名札
を渡されたことがある。片言で話し、「外国人留学生のふり」をして接客したところ
、客からの「過剰な要求」が消えたという。

「たとえば、箸やスプーンを何本つけるかとか、1秒でもレジを待たされると怒り出すとか――。 
普段は『黙っていても分かれよ』というようなスタンスで接してくるお客さんが少なくありません。

でも、こっちが『外国人』だと何も言ってこなくて、大体はマニュアル通りの対応で済みました。
お客さんも過剰に『日本人』に期待しすぎているのかもしれないですね」

ただし、少数ではあるが、外国人の名札をつけることで、差別的な言動をとられたり、
「日本人(店員を)出せ」と言われたりしたこともあったという。

カスハラの発生には、加害者の特性だけでなく、加害者と被害者の関係性も影響しているとされる。
店員の名札から国籍などの属性を読み取り、客が態度を変えていることが分かる事例だ。

※これが日本人の正体