成田市北須賀にある印旛沼漁業協同組合では、約30年前から国産ウナギの養殖を行っている。
かつて印旛沼周辺でも盛んに行われていたウナギの養殖だが、今は漁協のみ。県内を見ても2軒
しかないという貴重な存在だ。
 例年、県内で取れたシラスウナギ(稚魚)を3月ごろに買い付け、漁協の裏手にある養殖池で育てる。
成長段階に合わせてエサを変えること5回。弱っているウナギがいたら塩水浴をさせ、元気回復。
池の水は井戸水を使用し、水質TEL温度管理も慎重に、約1年かけて育てている。
この養殖期間もポイント。早く育てると身がやわらかすぎてしまい、2年を越すとかたくなる。
見極めるには長年の経験が必要だ。
 さまざまな努力で育てているが、中には成長が遅いウナギも。そんなウナギたちは印旛沼に放流され
、沼の中でゆっくりと成長し、再び海を目指す。養殖で育てたウナギは全てオスになり、
自然に返したウナギは8割がメスになるという。なんとも不思議な生態だ。