1/87 12mm の昨今の旧型客車製品の伸長は素晴らしいものがある。現在
FAB から鋼製屋根を持つオハ46・オハフ45 のリリースが募集されており、
これも編成に混ぜると旧客末期の独特の編成を再現することも出来そうだ。
遅くまで現役車が残った山陰筋はネットでもかなりの資料が蒐集できるが
当方が現況志向する南紀筋はなかなか骨が折れる。哀愁の旧客鈍行、
叶うならば車体色、屋根材質ならびに形状、近代化工事の有無など
それなりにバリエーションを持たせた編成を組みたいもの。資料に難渋
するのは特にぶどう色の車両。客扉の仕様はその扉が閉まっていなければ
原形か改装後かも判別しかねるし、水タンクは鋼製か FRP かくらいは
押さえておきたい。貴重なゴールデンウィークの休みを潰して得たサンプルは
オハ35 441。何と静岡県富士宮市に静態保存されているようだ。客扉は
原形、塗装はぶどう色2号。青15号が主体となりがちな晩年の旧客鈍行に
あって、この1両は古色蒼然とした哀愁を殊更に放ちそうである。昨今の
丸屋根旧型客車群は優等車両から凄まじい勢いで製品化が続いているが、
どこにでもいた平凡な鈍行車両の製品化も静かに待ちたいものである。