> キミは何が愉しくて12mm やってるの?
> キミにとって本当に一番愉しいスケール/ゲージは?

少し真面目な話をしましょう。
何が面白すぎるのか知りませんが、落ち込んでも知りませんよ。

現在の 12mmの方向性。軌間の違いは勿論あるが、製品の流れとしては 16番の改良再生産の
延長線上にある。ここまで直すんだから、ついでに軌間も矯正しましょう、という流れ。
16番と12mmの違いは、観念的には軌間に対する考え方の違いのみだが、現在の 12mm製品の特徴は、
「軌間を含め」大きく改良されている、という性格のものが大半を占める。
客車で言えば雨樋は真鍮引抜材が当たり前だし、ロストパーツも充実の使われ方をしている。
時代考証も既存製品とはひと味もふた味も違う。(16番でもできるはずのこと…)
完成品であれば塗装も一段上位の質感を見せる。
よって、究極のモデルに酔いしれたいのであれば、この規格はやはり外せない、ということになるだろう。
弱小なようでその需要がなかなか途切れないのは、特にHO近辺の需要の最先端の需要を
この規格が切り取っているから。鉄道模型市場の壮大な社会実験の結果とも言える。
残念ながら価格は庶民には厳しいものがあるから、全部をこれでというわけにはなかなかいかないが、
”生涯の宝” として大事にしたくなる模型がこの規格には多数含まれている。
多少イヤミにはなるが、庶民的な 16番とは一線を画する規格というわけだ。
趣味のものであるから、無理に買えなどというものではない。需要の根底は「欲しい」という感情である。
貨車も完成品であれば1輌3万円を超えたりするから、長い時間をかけて長編成にしていくしかない。
特に鑑賞目的のモデラーが志向する方向性でもある。その味がわからないモデラーに言っても無駄ではあるが、
ミシュラン星いくつかのホントに旨い食事がしたければ、というのにも似ている。
ファミレスや閉店間際の半額総菜で済ませるなら、まぁそれも一興。
昨今はJRや大手私鉄も百花繚乱に製品が出てくるようになってきて、必ずしもひとつの規格に
縛られるべきか、と考える機会も増えているかと思われる。とにもかくにも発売される車種の品揃えが
昔と比較にならぬほど凄まじい。これを追いたい、となれば、多少ガニマ★に目を瞑っても…
ということになってはいる。(16番と違って代替規格がない)
多くのモデラーは国鉄が主軸だろう。何にせよ、鉄道模型趣味人のメンツが昔も今も変わっていない。
12mm に国鉄型が多いのはこうした事情を反映してのことだろう。ひとことで言えば採算の合うものから
順に 12mm での製品化がなされている、ということになる。

個人的な趣味ではあるが、製品化に意外性のある N は面白いと思っている。この規格でないと
製品化が望めない車種というのが、実に多い。昔は16番にその役目があったが、プラに舵を切り、
最大公約数的車両が主軸となった同規格には、あまり魅力を感じない。
ちょっと大きいだけ。多少安いだけ。飽きるのも早いんだよなぁ…
(個人的感想、と申し上げておきます)