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同じ烈兵団(第31師団=新潟高田58連隊、福岡124連隊、奈良138連隊)なのに
奈良兵だけ差別されている件


戦争をすれば、からっきし意気地がなく、頼りないことおびただしい。
南支の戦線では、九州兵団が警備につくと、中国人は恐れて攻めて来ないのに、大阪、京都の兵団に交替すると、さっそく攻撃をしかけて来るというありさまで、敵側からも甘くみられていた。
田中稔中尉(福岡県出身、小倉114連隊)『死守命令』160頁

その軍曹は私の胸の片布の部隊名をじっと見ていたが、
菊・軍曹「おい、124(烈・福岡)の兵隊じゃないか…どうしたんだ。顔色が悪いぞ。九州男児じゃないか、頑張りゃな」
高崎上等兵「マラリアの出ッ放しと、食べるものがなくてバテとるんじゃ」
菊・軍曹「タバコでも喫まんか…どうぞ」
高崎上等兵「どうもありがとう。久しぶりのタバコはうまいですね」
菊・軍曹「そのからだじゃ、とてもイエウ駅まで歩けまい。自動車に乗んさい。イエウ駅まで送ってやるから…」
するとこの近くにいた祭兵団(京都)の兵隊や烈の138連隊(奈良)の兵隊たちが
関西兵「お願いします。私も乗せてください。お願いします」
菊・軍曹「駄目だ!乗せることはならん。祭(京都)や138(奈良)の兵隊はぼちぼち歩いて帰ったらいいんじゃ」
と、ありありと関西の兵隊に対して軽蔑の言葉を吐いた。
光人社『最悪の戦場に奇蹟はなかった』192頁