贅六こういうところだぞ…

【関東】
もともと海軍の兵隊は地上戦になれていない。
海軍は、数こそ3500人以上いたが、地上戦の戦力としてはあまり期待できない感じがした。
その点、陸軍はまとまっていた。
ペリリュー島に派遣された陸兵は、日本でも屈指の精強部隊(水戸2連隊、高崎15連隊)である。
彼らを見るたびに心の中で、「たのむぞ」と声をかけたものである。
土田喜代一元海軍上等兵・福岡県出身
(産経新聞出版『戦い いまだ終わらず』31頁)

【関西】
弓兵団(宇都宮33師団)にとって、ただ一つ、期待できる戦力があった。
安(京都53師団)は兵力はあるし、装備は新しかった。弓師団にとっては絶好の援軍となった。
だが、この安の援軍は、予定期間をすぎても到着しなかった。
部隊は次第にライマナイに集まってきたが相当数は途中で脱落し、もぐっていて、前線に追及しなかった。
のちに弓師団が撤退する時、これらの脱落兵が陰惨奇怪な行動をして、インパールの悲劇を一層深刻なものとした。
(文春文庫『インパール』327頁)