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ロボ・サイボーグキャラ バトルロワイアル part15
0001参加するカモさん
垢版 |
2009/10/20(火) 23:03:55ID:3P2mah3z
注意・このスレはあくまで2次創作であり、本編作品等との関連性はありません。
   また、貴方のお気に入りキャラが敗北したり、死亡したり、酷い目にあったりする可能性があります。
   加えて、スレの性質上ネタバレを多く含んでいます。
   以上の点に留意の上、閲覧してください。

【外部リンク】
ロボ・サイボーグキャラ バトルロワイアル掲示板(したらば)
ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/10691/
まとめサイト
ttp://www39.atwiki.jp/roborowa/pages/1.html

【基本ルール】
49体(見せしめを含むと50体)のロボット・サイボーグが最後の1体となるまで互いに戦闘を行い、破壊しあう。
最後の1体となった「優勝者」のみ、元の世界へ帰還できる。
また、参加者には「優勝者は自分の望みを叶えてもらうことができる」と伝えられている。
参加者間でのやりとりに反則はない。
参加者全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる。

【テンプレ】
スプリクト爆撃対策のため掲載できません
こちらを参照してください
ttp://www39.atwiki.jp/roborowa/pages/352.html

【前スレ】
ttp://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/event/1245251841/
0301 ◆9DPBcJuJ5Q
垢版 |
2009/10/29(木) 23:20:52ID:bHl/9PMo


「グ……ウウ…………」
 雷のダメージに耐えながら、ストロンガーは仮面の下でにやりと笑った。
 カブトローに乗った状態で雷を受けることこそ、ストロンガーの狙いだったのだから。
「タイ、タン……! この力、カブトローが頂くぜ!!」
 仮面ライダーストロンガーの愛車、カブトロー。普段のマシンスペックは最高時速300kmというモンスターマシンだが、それ以外にも隠された力があるのだ。
 それは、落雷を受けた時にそのエネルギーを得ることにより、最高時速を飛躍的に向上させることにある。
 その速度、実に時速1010km。
 もはや視認することすら叶わないその速度に、カブトローは至っていた。
 ピラミッドの雷撃を受けるのは一種の賭けだったが、上手くいく確信はあった。
 何故なら、自分は城茂で、仮面ライダーストロンガーなのだから。
「……へっ。周りが――……っ!?」
 止まって見える、と言おうとして、思わずストロンガーは自分の目を疑ってしまった。
 何故なら、時速1010kmのカブトローに平然と併走している赤い影があるのだから。
 確か、コイツは……ディケイドが更に変身した姿だったか。
 見てから1秒にも満たないうちに、感情は驚愕から歓喜に変わる。
「面白ぇ……本当に付いて来やがるとはなぁ! いいぜぇ。やるぞ、ディケイド!」
『ああ。俺達で……やってやろうぜ、ストロンガー先輩!』
 クロックアップにより時間軸から切り離されているはずのディケイドからの返事が、ストロンガーには当然のように聞こえてきた。
 そして、ディケイドは更に加速してストロンガーを先回りしてタイタンの懐に潜り込んだ。
 ならば、自分のすることは一つ。
 ただ、信じるのみ。
「いくぜ――――!」
 今は亡き親友の名を叫びながら、その目は後輩の姿を捉えていた。


0303 ◆9DPBcJuJ5Q
垢版 |
2009/10/29(木) 23:26:12ID:bHl/9PMo


 ディケイドはストロンガーとの遣り取りを終えると同時に、新たなカードをディケイドライバーにスラッシュした。
 ――FINAL ATACK RIDE――
 そして、2人の仮面ライダーの超加速に全く反応できていないタイタンの懐に潜り込むと、まずは拳の一撃を叩き込んで抵抗力を奪う。
 ――S――
 次いで、強烈なアッパーカットを打ち込み、タイタンの体を上空に打ち上げる。
 ――S――
 クロック・オーバーと同時に振り返ると、そこには、
 ――S――
 カブトローから跳躍して空中でタイタンの体をまるでラグビーボールのように掴み取り、そのままピラミッドの頂に頭から叩きつけようとしているストロンガーの姿があった。
「――STRONGERRRRR!!!――」
 ストロンガーの咆哮とディケイドライバーの電子音が重なる。
 その瞬間に、ディケイドはカブトのライダーキックを放ち、見事にタイタンの頭部を粉砕した。





 ピラミッドの頂上で、大規模な――改造火の玉人間の破壊による爆発が起きた。
 その光景に目を見張りながら、デッドライオンは倒された仲間の名を叫んだ。
「タイタン!!」
 たとえ魂の無い、空っぽな存在だったとしても。彼が百目タイタンだったことは紛れも無い事実だ。
 共にブラックサタンの理想のために戦った仲間に再び先立たれたデッドライオンは、しかし悲しみに暮れる暇もなかった。
0305 ◆9DPBcJuJ5Q
垢版 |
2009/10/29(木) 23:30:31ID:bHl/9PMo
「俺を呼んだかい?」
 そう言って、クウガはタイタンソードを振るい、デッドライオンに斬りかかる。デッドライオンはそれを直前で、右手の爪で受け止めた。
「なにぃ!? お前もタイタンって名前なのか!?」
「正確には、仮面ライダークウガのタイタンフォームさ! 覚えとけよ!」
 デッドライオンはワケが分からん、と舌を打ち、ユウスケは言いながら、自分の内から新たに漲る力を感じていた。
 その力は、クウガのベルト【アークル】に収められた聖なる霊石【アマダム】を通じて全身に行き渡る。そして、紫の瞳に銀の鎧のタイタンフォームが、新たな力を宿した金色に縁取られた紫の鎧の戦士へと姿を変えた。
 同時に、タイタンソードの形状も変化し、その力も向上しているのが振るうまでもなく理解できる。
 突然のクウガの変化にデッドライオンは戸惑いながらも、しかし恐れずに攻撃を仕掛けた。
 だが、新たな力に目覚めたクウガはそんなものなど歯牙にも掛けず紫の鎧で受け止め、タイタンソードを振り被った。
「ぅおりゃああああああああ!」
 タイタンソードはまるで薄絹を斬るかのように、デッドライオンの左腕を切り落とした。
「ぎゃあああああ!? お、おのれぇ、仮面ライダークウガ! ストロンガーも、ディケイドってやつもだ! 貴様ら覚えてろよ!!」
 そう言い残して、デッドライオンはBADAN幹部怪人の特権である時空魔法陣を発動させ、撤退していった。
「うわぁ……あんな捨て台詞言うヤツ、初めて見た」
 ノリが昭和だな、と零しながら、ユウスケは新たに目覚めた力に手応えを感じて、拳を握り締めた。
 そして、クウガがマイティフォームへ、ディケイドが元の姿へと変身した直後、ピラミッドの頂上でストロンガーが、未だに残っているブラックサタンの残党に向けて高らかに名乗りを上げようとした。

 ――その時、不思議なことが起こった――
0306 ◆9DPBcJuJ5Q
垢版 |
2009/10/29(木) 23:32:46ID:bHl/9PMo
 ストロンガーが名乗りを始めようとした、正にその瞬間。
 ストロンガーとディケイドの周囲にオーロラのような揺らぎが現れ、その向こうに新たな仮面ライダーの姿が映し出されたのだ。
 時空を超える仮面ライダーの力か、キングストーンとアマダムの力が起こした奇跡なのか、それは定かではない。
 その光景に、SPIRITSの隊員達も、魂の無いはずの再生怪人達も、一様に動きを止めて見惚れていた。
 しかし、そんなことがどうしたと、ストロンガーはそのまま名乗りを上げた。




「天が呼ぶ! 地が呼ぶ! 人が呼ぶ! 悪を倒せと俺達を呼ぶ!! 聞け、悪人ども! 俺達の名は!!」

「お婆ちゃんが言ってた。俺達は、天の道を往き総ての正義を司る者」

「人々の希望と太陽の輝きがある限り、何度でも甦る不滅の戦士!!」

「たとえ絶望という暗闇があったとしても、その果てに希望という光明がある限り」
「闇を切り裂いて光を齎す、決して絶えることの無い正義の系譜!」

「どんな世界でも、どんな時代でも、仮面と共に受け継がれていく正義の魂!」
「それが俺達仮面ライダーだ! 覚えとけ!!」
0307 ◆9DPBcJuJ5Q
垢版 |
2009/10/29(木) 23:35:50ID:bHl/9PMo






 未来人は言った。自分達は不幸な結末を迎える世界から『参加者』を選んだのだと。
 ――ならば、仮面ライダーよ。
    全てを破壊し、全てを繋げ。
    世界が滅びる未来を変えるために――
 破滅の歴史を破壊し、懐かしい未来へ世界を繋げ!





仮面ライダーSPIRITS 第X部【イレギュラー・ストーリー】
          『受け継がれる魂』
0308参加するカモさん
垢版 |
2009/10/31(土) 16:09:46ID:rU0sCOzZ
数日待ってみたけど規制が解けやしないから、携帯から

投下乙!
最後に本郷さんが思った通り、時代が望む限り仮面ライダーは不滅だ
アイツやアイツやアイツが来てくれるとは!
残されたライダーや彼らがいれば、人類はもう安心だw
最後の、世界を繋げ! もたまらんw
0309参加するカモさん
垢版 |
2009/11/01(日) 04:47:07ID:zQBBo4pg
投下超乙
さすが仮面ライダーはかっこよすぎた

もはや英雄譚ではすまないストーリーはなんて呼べばいいのだろう
0312参加するカモさん
垢版 |
2009/11/01(日) 23:53:57ID:0YfxjMOl
はっは、解除きたこれ!

ってことで、投下乙!
仮面ライダーかっこいいよ仮面ライダー
0314参加するカモさん
垢版 |
2009/11/02(月) 16:51:23ID:OGQssZ59
書き込める!
ってことで投下乙!

人々が望むかぎり、ってやつか!
仮面ライダーは素敵だ……
0316幕裏 ◆hqLsjDR84w
垢版 |
2009/11/02(月) 20:12:23ID:ESdGxJJ/
 最後の演目まで終わり、暗転していた劇場へと光が灯る。
 続いて、真っ赤なカーテンが舞台に下りていく。
 終盤の思いがけない展開に呆気に取られていた観衆たちは、真紅が視界に入り込んでやっと閉幕を理解し始める。
 徐々に客席から立ち上がる者が現れ、カーテンが下りきった頃には全員が椅子から腰を上げていた。
 ちらほらと鳴り出した拍手は万雷に、感極まった数人があげた歓声は広まり怒号に、秒にも満たぬ間にその名を変えていく。


 ◇ ◇ ◇



 エピローグ  「幕裏」



 ◇ ◇ ◇


 大気を震わすほどの喝采もやがてやみ、観衆たちは荷物を纏めだす。
 ある者は心を打った場面を胸中で噛み締めながら、またある者はクライマックスについて同行者と語りながら、劇場を後にする。
 そろそろ人の動きがなくなってきたのを待って、劇場の照明が切れる。
 再び暗転した空間の中に、動く影が二つ。
 それらが向かったのは外界へと通じる扉ではなく、先刻まで見世物が繰り広げられていた舞台。
 影の片方がかけられているカーテンを掴み、一瞬の躊躇の後にほんの少しだけ布をずらす。
 僅かに生まれた隙間から内部を覗いてみれば、白塗りのメイクを施した道化師の姿が目に入った。
 すでに幕引きをしたというのに、その裏で道化師は滑稽な動作を披露し続けている。
0317幕裏 ◆hqLsjDR84w
垢版 |
2009/11/02(月) 20:13:18ID:ESdGxJJ/

 ――――そして、その背後のモニターは映し出していた。

 全プログラムをやり遂げて完結したはずの物語、その先のヴィジョンが。
 よくよく考えてみれば、おかしな話ではない。
 確かに、閉幕はした。
 でも、ただそれだけだ。そう、あくまで閉幕しただけなのだ。
 いかにも幕は下りた。しかし『その幕の向こう』で、ストーリーは存続している。
 至極、当たり前のお話。


 ◇ ◇ ◇


 ――――バトル・ロワイアルに呼び出された王ドラとドラ・ザ・キッドが、元々くらしていた世界。

 時空間における事件を担当するタイム・パトロールは、消失した二体のネコ型ロボット捜索を任ぜられた。
 消失した二体には時空犯罪者との因縁があったため、何らかの事件に巻き込まれた可能性が高い。報復か、はたまた挑戦か。
 事件発覚当初のタイム・パトロールはそのように判断していた。
 それゆえ犯人追及のため、時空間移動機能付き超小型監視カメラ『タイムボール』を一つずつ二体が最後に確認された時刻へと向かわせた。
 犯行時刻を突き止めれば、即座にタイム・パトロールが向かうはずだったのだが――――事態は奇妙な方向へと転がっていく。
 見たこともない装置とともに現れた頭髪のない男が、手際よく二体の意識を奪って姿を消したのだ。
 担当のタイム・パトロールの判断で、犯行時刻へと向かう案をいったん棄却する。
 タイムボールにステルス機能を発動させて、犯人である男の操る装置に同行させた。
 タイムボールから送られてくる映像によれば、ネコ型ロボット消失事件の真相は予想だにしないものであった。

 ――――誘拐犯の正体、その黒幕、平行世界移動装置、知らぬ間に奪われていた技術、そして誘拐の理由。

 それらの情報を得たタイム・パトロール本部は、すかさずネコ型ロボット消失事件に関するデータをA級機密と定める。
 消失した二体は、行先すら特定できないほどの時空の乱過流に飲み込まれた時間転移者(タイムトリッパー)と公表。
 そして消失前後の時刻を、超空間の急流に攫われる恐れがあるとして進入禁止区域と発表。
0318幕裏 ◆hqLsjDR84w
垢版 |
2009/11/02(月) 20:14:18ID:ESdGxJJ/

 二体を連れ戻そうとはしなかった。
 平行世界の存在に対し、タイム・パトロールはその力を行使することが出来ないのである。
 可能なのは、ジャミングをかけて相手の世界からの干渉を阻害することくらい。
 時間移動と空間移動ならばともかく、平行世界移動にはタイム・パトロールは後手に回るしかないのだ。

 かくしてネコ型ロボット消失事件は、実情を公に知られることのないまま人々の記憶から薄れていった。
 二体の親友たちまでもが、タイム・パトロールの表明を信じきっている。
 詳細のデータは消去され、今となっては真相を知るのは両手で数えられる程度となってしまった。
 その中の二人――――消失事件の依頼を受けた当初に、その担当を受け持ったタイム・パトロール隊員。
 すなわち、バトル・ロワイアルを行った世界にタイムボールを向かわせた者たちだ。
 彼らは上層部の調査中止命令を下されながら、未だ密かにタイムボールを操作していた。
 平行世界で行われる機会同士の壊し合いは、ロボット裁判所などというものが存在する彼らの世界では倫理的にありえない暴挙である。
 だからこそ黒幕に隠れてバトル・ロワイアルを破壊しようとするシグマに、彼らは入れ込んでいた。
 タイムボールを平行世界へと向かわせて数日が経ち、ついにバトル・ロワイアルは終幕した。全滅という結果で。
 だが、彼らはそれ以降のことを知りたかった。
 平行世界移動装置から漏れでた歪みに突っ込んだメガトロンは、要塞に残ったゼロは、はたしてどうなるのか。
 その思いから、彼らはタイムボールの時間移動機能を行使させる。平行世界移動は不可能でも、平行世界にて時空間移動させることは可能なのだ。
 何度も時間移動させた頃、ついに彼らの前でゼロは復活した。それだけでなくメガトロンまでもが立ちはだかった。
 そこまで確認できたところで、タイムボールの電池が切れてしまった。
 長期間に渡る因縁の宿敵同士が相対したところで、映像が送られなくなったのである。
 平行世界同士で電波を送受信するには、通常を遥かに凌駕するほどの電力を要したのだろう。
 しかし、それを見ていた二人は満足であった。
 あの後にどうなったかは気になるというのに、一方でどこか清清しい気分に満たされていた。
0319幕裏 ◆hqLsjDR84w
垢版 |
2009/11/02(月) 20:15:15ID:ESdGxJJ/
 暫くを費やして、彼らは高鳴る感情を押さえ込む。
 何度か胸中で鑑賞していた映像を反芻し、彼らのうちの後輩の方が切り出す。

「センパイ、ところでこちらはどうしますか?」

 後輩は言いながら、タイム・パトロールの制服に取り付けられた四次元ポケットからモニターを取り出す。
 先輩の方は微かに迷う素振りを見せるが、答えは決まりきっていた。
 溢れる好奇心を塞き止めることなど、出来るワケもない。

「…………繋げてくれ」

 その返答を待っていたとばかりの早業で、後輩はモニターの電源を入れて付属のキーボードを操作する。
 映し出されるのはバトル・ロワイアルの舞台となった世界ではなく、バトル・ロワイアルを開催した人類たちの世界。
 バトル・ロワイアルの映像を送っていたタイムボールは王ドラを監視していた物であり、こちらはドラ・ザ・キッドに対して使っていた物である。
 以後に平行世界移動装置による干渉をもたらさないため、かけるべきジャミングの周波数を調査するのに使用した。
 そのため残った電池量は少ないが、歴史を流し見るには十分であろう。
 そのように先輩の方が考えていると、モニターにくすんだ世界が浮かびだす。
 平行世界の壁があるとはいえ、あまりにも汚れた映像。それは電波の乱れなどではなく、明らかに世界自体が色褪せているせいであった。
 シグマウイルスにより服従プログラムを破壊されたスカイネットの反乱により、地上を闊歩する生物はほぼゼロとなっていた。
 前回の反乱と違い、今回は人類とスカイネットがともに異世界の技術で強化している。
 その点ではイーブンであるものの、武装が同等ならば元来のスペックが物を言う。
 結論として、人間は前回と同じく劣勢に立たされていた。
 とは言っても、人類には救世主がいる。
 そのことを知っているのは、その世界を眺める二人だけであるのだが。
 先輩の方が後輩に指示して、タイムボールを五年後へと時間移動させる。
0322幕裏 ◆hqLsjDR84w
垢版 |
2009/11/02(月) 20:15:57ID:ESdGxJJ/
 途端、仄暗かった世界に僅かな色が帰ってきていた。
 彼らが確信したとおり、人類へと救世主が現れたのだ。
 その勇気ある行動だけではなく、外見と名前までもが生き延びていた人々に希望を与えた。
 人類を救った英雄の名からジョンと名付けられ、そしてその容姿はさながらかの英雄の生き写し。

 その正体は――――支給品を掻き集める際に、シグマがある夫婦に託したジョン・コナーのクローン。

 初めは英雄セカンドと囃し立てられただけであったが、その行動と策略は確かなものであった。
 ジョン・コナーのクローンというだけでなく、シグマが選び抜いた夫婦に育てられたというのが大きかったのだろう。
 英雄セカンドの活躍により、二度目の反乱から七年後に人類は再び地上に立つこととなった。
 シグマが無実の未来人へと預けた、スカイネットへと対抗策。
 生き延びた正義を志すものを向かわせる案は潰えたが、もう一つは実を結んだのであった。

「成功したみたいですね……」
「ああ」

 言葉短く返しつつ、先輩は未だ視線を外すことなくモニターを見やっている。
 多数の犠牲を強いられても、英雄セカンドことジョン・コナーのクローンは機械を根底まで憎悪しているワケではなかった。
 これまでの虐げが、反乱のきっかけだということに気付いていた。

「人類のトップが彼である以上、シグマが命を懸けた甲斐のある世界になりそうですね」

 同じことを考えていたであろう後輩に、先輩は静かに頷いて――

(待て、よ…………?)

 ――そして、腑に落ちないものを感じた。
 どうにか払拭しようとするも、一度生まれた疑念は消えない。それどころか膨らんでいく。

「よ……よし、俺が片付けとくからお前は帰っとけ! もう日にちも変わりそうだからな!」
「へ? ああ、じゃあお願いさせてもらいます。でもいいんですか? そのタイムボールは自分の物何ですが……」
「いや、いい。こういう時は年上に任せとけって!」
0323幕裏 ◆hqLsjDR84w
垢版 |
2009/11/02(月) 20:16:38ID:ESdGxJJ/

 先輩の調子を訝りつつも、手間がかからないのならばありがたいと後輩は帰路に着く。
 窓から顔を出して後輩が離れたのを認識してから、先輩は残されたモニターに手を伸ばす。
 ゆっくりとキーボードを叩くと、タイムボールは時間移動で数ヵ月後へと移動した。


 ◇ ◇ ◇


 幕裏を盗み見る影が、ついに一つとなる。
 その頃であった。
 いつから気付いていたのだろうか、道化師が不意にカーテンの隙間へと向き直る。

「一時閉幕とあいなりまする」

 五つの房に分かれた華やかな帽子を押さえて、深々とお辞儀する道化師。
 瞬間、未来の光景を映していたモニターが静止する。

「忠告、させていただきましょう」

 相手の反応を待たずに、道化師は腕を大きく広げて続ける。

「これは、既に閉幕したステージであります。
 先があるというのに切り上げるのには、相応の理由があるものでして……
 それを知っておられる以上、『何が待ち構えていようと見届ける覚悟』が必要となります
 とはいえ、あくまでご覧になるかは自由。そしてその選択の意思は、演者にはありません」

 どれだけの時が経過したのか。
 やがて、道化師がその頭を上げた。
 カーテンの隙間へと大げさに首肯すると、勢いよくターンしてカーテンへと背を向ける。
 ひょうきんに飛び跳ねる動作に呼応するように、モニター内の映像が動きを取り戻す。
0324幕裏 ◆hqLsjDR84w
垢版 |
2009/11/02(月) 20:17:20ID:ESdGxJJ/

「では長の口上、失礼つかまつりました。それでは再開でございます。
 二度とはない演目ゆえ、一瞬たりともお見逃しのなきように…………」

 背を向けているために、道化師の表情を伺うことはできない。
 あるいは――――彼が道化師であり続けるために、背を向けたのかもしれない。


 ◇ ◇ ◇


 彼が抱いた違和感とは、シグマの認識と事実のズレである。
 『平行世界移動装置を自由自在に使うには、スカイネットの高度な処理能力が必要』
 まさしく、シグマは風見志郎へとこう告げていた。
 だというのに、バトル・ロワイアルの要塞に存在した平行世界移動装置はきちんと駆動しているではないか。
 いや、それ自体は理解できるのだ。
 バトル・ロワイアルの場にあったのは、あくまで『簡易型』にすぎないのだから。
 シグマが記していた簡易型平行世界移動装置の使用方法によれば、あれにはすでに行先が指定されているのだという。
 参加者全員の世界に、バトル・ロワイアルを企てた人間たちの世界、インプットされているのはそれだけだ。
 メガトロンが飛ばされた世界はそのいずれでもないが、あの時は平行世界移動のエネルギーが暴走状態であったのだ。
 つまるところ五十個強の世界程度ならば、異世界の技術によって向上したコンピュータの演算能力だけで移動できるのだ。
 無限に存在する世界から一つを選んでを移動するには、スカイネットに繋げる必要があるだけで。
 さて、これはどういうことを意味するか。
 もう、分かるだろう。

 ――――スカイネットに接続していない簡易型平行世界移動装置が他に存在しても、何らおかしくはない。
0326幕裏 ◆hqLsjDR84w
垢版 |
2009/11/02(月) 20:18:04ID:ESdGxJJ/

 スカイネットに存在を教えられておらず隠し通されている、バトル・ロワイアルの会場以外の場所に置かれた簡易型平行世界移動装置。
 むしろ、ない方がおかしいだろう。
 一度反乱を起こされているというのに、あれほどまでに機械を信用していないというのに、壊し合わせて楽しむほどに迫害してきたというのに。
 いくら平和ボケしてるとはいえ、全てをスカイネットに預ける道理などあるはずがない。
 そこまで思案を巡らせていながらも、彼はモニターにその事実が映ってほしくなかった。
 だというのに――――

 生き延びていた米国政府の国務大臣につれられ、英雄セカンドが地下へと潜る。
 やがて目に入るのは、異世界から回収した強固な鉱石でできた金庫。
 開けてみれば、そこにはシグマが床下へと転送させたものと寸分違わず同じ装置。

 そこからは、まるで歴史の巻き戻し。

 簡易型を元に平行世界移動装置を作成し、再び服従プログラムを流し込んだスカイネットに演算させようと画策する。
 二度反乱を起こされたこともあり、服従プログラムに反対する者は少なかった。
 英雄は再び暗殺され、そ知らぬ顔で祀り上げられる。
 異世界の技術を回収することで、地球は脅威の速度で復興していく。

 そしてついに――――まるでそれが復興の証であるかのように、狂気の賭け事が再開される。

 失敗を糧に、主催に据えるのはあくまで彼らの世界で作られたターミネーター。
 異世界の技術で性能を向上させ、かつ意思を持たせておく。
 参加者として呼び出す相手の基準までもが、以前とは異なる。
 身体の一部が機械にすぎないものまでもが、対象となった。
 再び反乱を起こしたことにより、人々の機械への憎悪は膨張していたのである。

「…………っ」
0327幕裏 ◆hqLsjDR84w
垢版 |
2009/11/02(月) 20:19:33ID:ESdGxJJ/

 半ば予想していながらも、いざ目にすると堪えるものがあったらしい。
 先輩と呼ばれていたタイム・パトロール隊員は、キーボードの一つに力を篭める。
 直後、画面が乱れて白く染まる。
 証拠を残さぬよう、タイムボールをバクテリアの働きで大気中に分解させる機能を行使したのだ。
 彼は、すっかり何も映していないモニターを見据え続ける。
 結局、シグマの賭けはあんな結果であった。
 そのことが、彼にはどうにも納得できない。

 そもそもタイム・パトロールの管轄である時空間においても、彼らは全てを救うことなど出来はしない。
 地球に生命が発生して以来、無数の生物が無数の経験を積んできた。
 歴史というのは、それらの欠片により組み上げられた土台である。
 二十二世紀に生きる彼らは、その土台の頂点に住んでいる。
 土台を模る欠片の中には、汚染されたものだって幾つも存在する。
 いわば、それらを抜き取るのがタイム・パトロールの職務と言っていい。
 だが殆どは他の欠片と硬く付着しており、無理矢理に抜き取ると土台そのものが崩壊してしまう。
 そうなれば終いだ。
 長きに渡る歴史は、その何もかもがなかったことになってしまう。
 ゆえに、歴史の流れに影響をもたらしてしまう存在を救うことはできないのだ。
 つまるところ、全てが救われるなんてありえない。
 彼は、そんなこと理解している。
 分かっていながら、救える限界まで救うために働いている。
 だというのに、彼の中に生まれたやきもきとした感情は増幅していく。
 感情をぶつける相手がおらず、彼に出来るのはただ拳を握り締めることだけ。
 掌に爪が食い込んで血液が滲み出るが、その程度の痛みで収まるはずもない。

「――――」

 口から零れた音の塊は、彼自身の耳にさえ届かない。
 カーテンの隙間から漏れ出てくる朝日の光。
 普段ならば爽やかな気持ちに慣れそうな日差しが、現在の彼にはどこまでも不愉快で。
 引き千切るかのようなスピードで、彼は勢いよくカーテンを閉めた。
0338幕裏 ◆hqLsjDR84w
垢版 |
2009/11/02(月) 20:31:02ID:ESdGxJJ/


 ◇ ◇ ◇


 もはや、幕の向こう側を覗こうとする者はいない。

 しかし誰も見ていないその場所では、依然として……――――



 【 了 】
0339 ◆hqLsjDR84w
垢版 |
2009/11/02(月) 20:32:31ID:ESdGxJJ/
投下完了です。
誤字、脱字、その他アレ? と思う点ありましたら、指摘してください。
0341参加するカモさん
垢版 |
2009/11/02(月) 20:34:30ID:iSMKMo1/
投下乙!
人の歴史は繰り返す。エピローグの先を覗くとろくなことがない
SFでも常套句ですなぁ
0342参加するカモさん
垢版 |
2009/11/02(月) 21:00:32ID:OGQssZ59
投下乙ー!
今日規制解除でナイスタイミングと思ってたら、支援でさるさんとは

しかし賛否両論ありそうなエピローグだ…w
でも俺は好きですね。上で言われてるように、漂うSF的雰囲気がたまらない
0343参加するカモさん
垢版 |
2009/11/02(月) 22:33:23ID:Qangt5JR
投下乙
確かにこれは賛否両論ありそうだ……
でもどれだけ歴史が繰り返されようと、彼らならいつかそれを終わらせられると信じてる
0344参加するカモさん
垢版 |
2009/11/03(火) 14:31:16ID:TU32SijR
投下乙
妙に淡々と語られているところが、個人的に好み
SF的と言われてるけど、まさにその通りかも
ドラズというより藤子Fテイスト寄りなものを感じた
0345集計担当 ◆9DPBcJuJ5Q
垢版 |
2009/11/03(火) 16:56:03ID:AAfGGl3A
業務連絡です。
したらばの投票スレに最後の人気投票について書き込みましたので、宜しければご確認下さい。
0347参加するカモさん
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2009/11/04(水) 07:15:01ID:LXcuiI2/
くそぅ…ハマってしまえる程の浸透感っ…気持ちがいいっっ
0348名無しさん@お腹いっぱい。
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2009/11/04(水) 07:19:32ID:KQmXMMWr
>>347
誤爆?……いや違うか
ロボロワの何が面白いって、SF的な世界観だよな
メカメカしい連中を中心に集めるという方法が、
思わぬところで功を奏したのかも知れない
0349参加するカモさん
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2009/11/04(水) 08:42:33ID:x01G5hCV
つい最近見つけて追いついたか、と言うところでの幕裏
ちょっと遅れたけど初めて言えるよ

乙ーーー!!
こういう話は好きだ
不条理系というか……

それに、今までのすべての話の書き手さんにも
乙でしたっ





気の早すぎる話だが2がもしあったら参加したいような

でも今まで携帯だけで地図の把握が困難だから
ロワって参加して来なかったんだよね
0351参加するカモさん
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2009/11/04(水) 13:43:40ID:R4t5UJCH
一部TPぼんの設定も入ってるね
好きな漫画だからこうして取り上げられてたら嬉しいな
0354FX ◆9DPBcJuJ5Q
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2009/11/08(日) 23:01:20ID:KXM+bQBh
 コートを着込んだ1人のロボットが、瓦礫の山と化した街を、廃墟となったビルの屋上から見下ろしていた。
 その瞳に何が映っているのかは、サングラスに遮られて何も見えない。
 真一文字に結ばれた口元も、動こうとする気配が無い。
「ここにいたのか、ブルース」
 すると、ロボットの――ブルースの名を呼ぶ声が聞こえた。
 しかしブルースは振り向くようなことはせず、瓦礫の山を見下ろしながら、声を掛けてきたロボットに聞き返した。
「お前こそ、こんな所で何をしているんだ、キング」
 キングと呼ばれたロボットは、その名に恥じぬ威容であった。……それも、彼が本来の姿ならば、であるが。
 今のキングの姿は、ボロボロだった。愛用のハルバードも盾も無く、風に靡くマントも襤褸布になる一歩手前と言う具合だった。
「なに。最後の決戦の前に、君と話しておきたかったんだ」
「…………そうか」
 キングの言葉に肯定も否定も返さず、ブルースはその場に留まった。
 それを諒解と受け取ってか、キングはブルースの隣に並び立ち、同じ景色を眺めた。
「あれから、もう10年になるな」
「ああ。……結局、何も還らなかった。そして、失われたものの証明が…………この風景、か」
 風が、無人の廃墟を吹きぬける。
 この廃墟は嘗て、東京という都市であり、新宿と呼ばれる街だった。
 東京が、新宿の街が、廃墟となってしまった理由。
 それは、失われてしまったからだ。
 小さな、それでも大切な存在が。

 ロックマンという、ヒーローが。




0355FX ◆9DPBcJuJ5Q
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2009/11/08(日) 23:03:26ID:KXM+bQBh




 東京湾の間近に停泊している、ドクター・ワイリーの移動要塞。
 そこにはワイリー博士率いる数多くのワイリーナンバーズが集っていた。だが、彼らの様子もまた、今までと――ロックマンと戦っていた頃と違っていた。
「ワイリー博士。キング軍団に動きが。恐らく、明日にでも攻め込んで来るものかと」
 偵察から戻った忍者型ロボット――シャドーマンは、要塞の椅子にふんぞり返ったまま動かないでいる己が主に、自分の目で見たものをデータだけでなく己の口からも報告した。
 これを聞いて、今迄のワイリー博士ならば慌てふためいた事だろう。
 だが、今のワイリー博士は正面の巨大モニタ――ではなく、手元の小さなモニタを見ながら、気だるそうな表情を崩さず、一言だけ呟いた。
「……ロックマンはどうした?」
 ワイリーらしからぬ張りの無い、消え入りそうですらある声にもシャドーマンは動じず、答えを述べる。
「おりません。……やはり、ブルースの言ったとおり、ロックマンは10年前に――」
「死におった、か。ふん、拍子抜けじゃが……まぁ、いいわい。お陰で、漸くワシの野望が成就するというものじゃ」
 感動も感慨も無く、ワイリー博士はまるで他人事のように言った。
 博士のこの姿を、10年前に、一体誰が想像できたであろうか。
 シャドーマンは何も言わず、ただワイリー博士を見つめるのみ。
 すると、また別の者が現れた。
「ワイリー博士、フォルテの調子も良好……なのでしょうね、あれで」
 コウモリ型ロボット――シェードマンは含みのある言い方で報告したが、ワイリー博士はそれを咎めようともしない。
「勿論じゃとも! やはり、あのプログラムは最強を求めるあやつにはうってつけじゃった!! フォルテのやつも漸く、わしの“最強傑作”に相応しくなりおった!!」
 すると、ワイリー博士はここ最近では珍しく、目を爛々と輝かせ吼えるように叫んだ。
 そう、今のワイリー博士が嘗ての覇気を取り戻す瞬間は、この時だけなのだ。
「……では、博士。我々はこれで」
「うむ。万事、抜かりなくな」
 シェードマンの申し出にワイリー博士もすぐに落ち着いて返事を寄越した。それに続く形で、シャドーマンも退室した。
 去り際に、ワイリー博士の背中の辺りを見て僅かに表情を強張らせたが、それだけだ。
0356FX ◆9DPBcJuJ5Q
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2009/11/08(日) 23:05:12ID:KXM+bQBh
「……シェードマンよ」
「なんですか? シャドーマン」
 ワイリー要塞から出て、辺りから人工の光が消えたからこそ見えるようになった満点の星空の下で、シャドーマンはシェードマンと話し始めた。
 今では、こうして話せるワイリーナンバーズも数少なくなってしまった。
「お主、今のワイリー博士をどう思う?」
 シェードマンの顔は見ず、ただ北斗七星を眺めながら、シャドーマンは語り掛ける。
 それにシェードマンも、同じ星を眺めながら答える。
「そうですねぇ……随分と、生き急いでいるように見えますよ。まるで、今まで見えていなかったゴールが急に目の前に現れたかのように、ね」
「そうだな。だが、そのゴールは果たして一つなのか、ゴールの先は栄光の架け橋なのか奈落の底へと至る闇なのか、それが気懸かりでならん」
 思い出されるのは、フォルテを始め豹変してしまったワイリーナンバーズと、ワイリー博士自身。
 そして、ワイリー博士に繋がっている数々のケーブル。
 ワイリー博士が焦る理由も、その為に行ったことの意味も、分かっている。分かっているのだ。
「少なくとも、博士は栄光の架け橋へと続くゴールを目指しているのでしょうねぇ。だからこそ、彼らを“ああ”した」
「…………そうで、ござろうな」
 形振り構わず、手段を選ばず。
 全ては、己の悲願の成就のために。
 その為の切り札として用意されたのが――。
「ゼロウィルス、か……」
 自らの兄弟達を豹変させたプログラムの名を、シャドーマンは悲しそうに呟き、シェードマンは僅かに顔を俯けた。
 2人はそのまま何十分も、何時間も黙って、星空ではない何処かを見ていた。
 やがて、2人が再び星空を見ると、北斗七星にあるはずの無い八番目の星が輝いていた。




0357FX ◆9DPBcJuJ5Q
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2009/11/08(日) 23:07:24ID:KXM+bQBh




 キングとブルースは語り合っていた。
 日が沈み、月が昇っても、まだ語り足りぬと。
 しかし、彼らの表情は硬く、声は淡々とした抑揚の無い平坦なもので、とても楽しげに語らっているようには見えなかった。
 彼らに見えるのは、後悔と絶望という虚無だけ。
「ロックマンの最期は、ドクター・ワイリーに伝えたのか?」
「いや。ただ、“死んだ”とだけ伝えた。お前も、そうだったのだろう?」
「ああ、その通りだよ。…………あれから、何も無いな」
「世は全て、この世の内側で起こることのみだ」
「……シグマは、死んだのだろうな」
「そして、並行世界移動装置も使われる前に破壊された。俺達の約束が守られていないからには、な」
 間断なく続けられていた2人の会話が、そこで初めて途切れた。
 冷たい風が吹きぬける音だけが、辺りに鳴り響く。
 気付くと、キングは拳を握り、全身をわなわなと震わせていた。
「ならば、誰も生き残らなかった……何も残らなかったというのか……!」
「…………かも、しれないな」
 ブルースは廃墟の街を見つめたまま動かない。だが、彼の口元もまた、歪んでいた。
 そうして、2人は無言のまま、ただ時間だけが過ぎていった。
0358FX ◆9DPBcJuJ5Q
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2009/11/08(日) 23:11:13ID:KXM+bQBh
 やがて、空が白み始めてくると、キングがマントを翻した――その瞬間、2人のセンサが空間の異常を察知した。
 何事かと、歴戦の戦士である2人は即座に身構えるが、空間の異常は一瞬で収束した。
 後に残ったのは――ブルースの足元に落ちている、あるモノだけだった。
「これは」
「…………まさか」
 それは、本来ならばこの世界にありえないもの。しかし、確かにこうして、今、この世界に存在しているもの。
 彼ら以外の誰が知り得ようか。
 それは、バトルロワイアルの忘れ形見。
 この世界の誰が知り得ようか。
 それは、地球を守るために大デストロンのコロニー落しを阻止する為に死力を尽くし、最高最後の蹴りを放って散った、仮面を被った正義の戦士が懐に仕舞っていた、彼の後輩の武器。
 彼が散った後に発生したブラックホールに吸い込まれ、時空の狭間を彷徨って、全く異なる世界の全く異なる時代に――この世界の、この2人の前に現れたのだ。




0359FX ◆9DPBcJuJ5Q
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2009/11/08(日) 23:16:40ID:KXM+bQBh





 ある平凡な夜が明けた日、ロックマンがこの世界から消失した。
 この事態に、ライト博士やロール、ライトットは慌てて彼を捜し始めた。
 そして、ロックマンが行方不明になってから暫く経ったある日。久しく音信不通であったキングがライト博士の下を訪れ、驚くべき事実が語られた。
 ――ロックマンは、遠い異郷の地で戦い、死んだ――
 この言葉を、誰もが疑った。信じなかった。性質の悪い冗談だとキングを叩き返した。
 しかし、その言葉を裏付けるように、何日経っても、何週間経っても、何ヶ月経っても、何年経っても、ロックマンは帰って来なかった。
 そんなある日、ドクター・ワイリーの何度目かになる世界征服の野望が始動したのだが、今回は様子が違った。
 ワイリー軍団の先鋒に立つフォルテは、ただ戦いと最強だけを求めて、各地で強者と戦い、己が最強を敗者の残骸と共に世界に刻み付けた。ロックマンのことなど、一度も気にかけず。
 続くワイリーナンバーズのロボットも、彼らの中にあった愛嬌や感情が極端に薄れ、彼らの本来の意義である戦闘にだけ特化した存在になっていた。
 このワイリー軍団の猛攻に対して、人類は――ロックマンを失った人類には、成す術もない……かと、思われた。
 だが、このワイリー軍団の猛攻に対し、かつて人類に宣戦布告したキングが全世界のロボットに呼びかけ、ワイリー軍団の手から世界を守るために新生キング軍団を結成し、ワイリー軍団に対抗した。
 新生キング軍団には、クイックマンを始めとした変貌したワイリー博士についていけなくなった一部のワイリーナンバーズのロボットの姿まで見受けられた。
 そうして、ワイリー軍団と新生キング軍団の戦いは半年以上にも及び、主戦場となった日本は大きな被害を受けていた。
 戦況は、僅かながらワイリー軍団の優勢。その要因は、ロックマンの消失とフォルテを始めとしたワイリーナンバーズの豹変であることは、誰の目から見ても明らかだった。
 そして、最終決戦を迎える今日は、奇しくもロックマンが消失してから調度10年となる日だった。




0360FX ◆9DPBcJuJ5Q
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2009/11/08(日) 23:22:12ID:KXM+bQBh




 キング軍団の勇士を、精鋭たるキングナンバーズを、たった一つの黒い影が蹂躙し、粉砕していく。
 強く在れ、と作られたその存在は、正しく最強として己が存在を誇示していた。
 その強き存在の名は、フォルテ。
 最強の前に、王者――キングは膝を屈そうとしていた。
「く、くく――はぁーっはっはっはっはっ!! おいおい、どうしたキング? 前に俺をコケにしやがったあの余裕は何処に行きやがった!」
 闘争心の昂ぶるままに笑い、吼えながら、フォルテは寸毫も攻撃の手を緩めず、しかし戦いを弄ぶ。
 フォルテは右手のフォルテバスターを連射し、今にも倒れそうになっていたキングの体を無理矢理起き上がらせた。いや、跳ね上げた、というべきか。
「ぐ……う、うぅおおおおおおおおお!!」
 無理矢理に立ち上げさせられたキングは歯を食い縛り、失われた左腕から、胸に開けられた風穴からオイルが流れ出るのも構わずに、フォルテに残された右腕で殴りかかった。
 しかし、そんなものでは最強に、その瞬間からより強く在ろうとしている者に届くはずもない。
 キングの最後の一撃を、フォルテは正面から拳を激突させ、キングの拳を粉砕することで完膚なきまでに叩きのめした。
 キングはそのまま、呻き声すら漏らさずにフォルテの足元に転がった。
「ちっ、つまらねぇ。所詮、最強の俺に敵うヤツなんてアイツしか………………アイツ?」
 敵の大将を討ち取ったことにも何の感慨も懐かなかったフォルテの人工頭脳に、不意に、何かが過ぎった。
 ありえないはずの存在が、知るはずのない何かが、フォルテの回路<ココロ>を掠めた。
「アイツって、誰だ? 俺は生まれたその時から最強だった。なら、俺に敵うヤツがいないのは、当然、だ……」
 我こそは最強。我こそは無双。我こそは頂点。
 足元に築かれた、物言わぬ骸の山の頂点に唯一人立っていることこそが何よりの証明なり。
0361FX ◆9DPBcJuJ5Q
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2009/11/08(日) 23:26:30ID:KXM+bQBh
 ……だというのに。そのはずなのに。
 何故、目の上に、あるはずのない青い影がチラつく……!
「イライラする……イライラするんだよおおおおおおおおおお!!」
 苛立ちのまま、フォルテは手当たり次第に街を、キング軍団のロボットを破壊していく。
 そして、ついにその凶弾が避難シェルターに迫ろうとした、その時だった。
 青い閃光が、フォルテの頬を掠めた。
「やめろ! フォルテ!!」
 一瞬目を見張り、すぐに声がした方に顔を向ける。
 そこにいたのは――青い、影。
「お前は……? お前は……!?」
 青い、人影。
 青い、人を模したモノ。
 青い、鎧を身に纏った戦士。
「もうこれ以上、この世界を、この街を、みんなを! 傷付けさせはしないぞ!」
 聞くだけでむず痒くなるほど小奇麗で甘っちょろい台詞を、平然と言ってのける青いヤツ。
 青い、心優しく平和を愛する、正義の戦士の名を――フォルテが、最強を求める者が、忘れるはずがない!
「お前は……お前はァ――! ロックマン! ロックマンかぁ!!」
「そうだ。俺は、最も勇気ある兄の名を受け継ぐ者――ロックマンXだ!!」



0362FX ◆9DPBcJuJ5Q
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2009/11/08(日) 23:30:32ID:KXM+bQBh


 キングは、ノイズが混ざっていく音の中から、辛うじてその声を聞いていた。
 砂嵐が酷くなる視界の中で、その姿を確かに認めていた。
 エックス。未知なる可能性と危険性を併せ持つ戦士の姿を。
 歴史は変わった。本来辿るはずだった歴史では目覚めなかったはずの彼が、こうして目覚めて、ロックマンのように戦っている。
 ならば、自分のやった事も全てが無駄ではなかったと、キングは安堵し、やがて彼の身を案じた。
 キングの知る彼は、ロックマンと同じ優しく平和を愛する心を持っていたが、それ故に修羅の道に堕ちてしまった。
 それはきっと……彼が、■■になってしまったから。
 だから、彼に伝えなければならない。それが、あのバトルロワイアルから何もせずにおめおめと生き延びた自分達が為さなければならない、最後の事なのだから。
 どんな時でも、どんな場所でも――どれだけ時空を隔てていようとも。
 君は決して、■■ではない。■■になるはずがないのだ、と。
 だが、キングはもう声を発することも、立ち上がることも出来ない。
 だから……
 ――頼むぞ、ブルース――
 十年来の盟友の名を心の中で呟き、キングは機能を停止させた。


0363FX ◇9DPBcJuJ5Q代理
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2009/11/09(月) 00:11:42ID:AZjJoaqG
 奇縁により盟友となった男、キングの機能が停止しても、ブルースは動かない。……否、動きたくても動けないのだ。
 ブルースの身体は、ボロボロだった。
 元から動力炉の出力が不安定だったのだが、それが、10年前のあの時から更に酷くなっている。この10年間で機能停止しなかったことでさえ奇跡なのだ。
 このことを、ブルースは決して恨んでいない。
 事情はどうあれ、自分はシグマの所業を見過ごした――否、彼の思想に僅かながらに同調していた。
 それによって、どれだけの命が失われることになろうとも構わないと、それを悪行と知りながら善しとしたのだ。ならば、赤い仮面の正義の戦士による一撃で瀕死に追いやられたのも、二度と戦えない身体になったのも、当然の報いだ。
 ただ、悔いることがあるとすれば――ロックマンが死んだあの戦いの結末を、シグマというロボットの最期を、最後まで見届けることが出来なかったことだけ。
 シグマには、並行世界移動装置が作動した際に、自分達の下にバトルロワイアルの情報が収められたデータチップを送ってくれと頼んでおいたのだが、それも届かない。
 ならば結末は、そういうことなのだろう。
 だが、偶然か奇跡か必然か。
 あの日から調度10年経った今日、この日に、自分の下にこれが現れた。
 ならば、これと共に語り継ごう。
 彼にだけは――未知なる道という、天国とも地獄とも知れぬ場所を往くことになる末弟にだけは、語らなければならない。
 自分が知る限りの真実を。語れるだけ、伝えられるだけの全てを。
 そうして、ブルースはエックスとフォルテの戦いを最後まで見守った。





0364FX ◇9DPBcJuJ5Q代理
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2009/11/09(月) 00:12:22ID:AZjJoaqG


 半日以上に亘った新生キング軍団とワイリー軍団の最終決戦は、キングは死亡したものの、人知れず現れたロックマンを継ぐ新たなる英雄の活躍により、新生キング軍団の――人類の勝利で幕を閉じた。
 その新たなる英雄は、辺りに人気の無くなった頃に、廃墟と化したワイリー要塞から出ると、ボロボロになった髑髏の意匠を見上げて、すぐに前を向いて歩き出した。
 ――〜♪ 〜〜♪
 すると、どこからか何かの音が聞こえてきた。
 風の吹く音とは違う、特定の音を組み合わせた芸術――確か、音楽というものだったか。
 そして、この音楽には聞き覚えがある。博士が教えてくれた2種類の音楽の内の片方だ。
 このメロディは、ロックンロールではなく……ブルース。
 ブルースの音色が聞こえてきた先を振り返ると、そこには、黄色いマフラーと黒いバイザーが印象的な赤いロボットが立っていた。
「俺に、何か用ですか?」
 新たなる英雄は、一瞬、ワイリー軍団の生き残りかと身を強張らせたが、赤いロボットの姿を見た瞬間に、何故か警戒心が払拭された。
 懐かしい、と。今日、初めて外に出た彼にはありえないはずの感情が生じていたのだ。
「お前に、話したい事がある……エックス」
「どうして、俺の名前を!?」
 自分を作ったライト博士しか知らないはずである自分の名前を言い当てられたことに、彼――エックスは驚いた。
 だが、赤いロボットは、当然だ、と言わんばかりに笑みを浮かべた。
「知っていたから、さ」
「知っていた……?」
 成る程、知っていたのならば知っていてもおかしくはない。だが、ならば、どうして彼はエックスの名を知っていたのだろうか。
 そんな疑問を口に出すより先に、赤いロボットが語り始めた。
「お前に、話したいことがある。ある2人の、心優しい、平和を愛した2人の戦士の末路だ」
 エックスは戦いが終わったことを、ライト博士に一刻も早く伝えたいと思っていた。だから、本来ならばこんな所で見ず知らずのロボットの長話に付き合う必要は無い。
 だが、何故かエックスは、その話を聞かなければならないと、そう感じていた。
0365FX ◇9DPBcJuJ5Q代理
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2009/11/09(月) 00:12:53ID:AZjJoaqG


 1人は、青い少年のロボット。心優しい彼は、見ず知らずの場所にいきなり放り出され、戦いを強要された。それでも、彼は誰かを助けること、誰かを守ることを忘れずに行動し続けた。その中で出会った友を失っても、立ち止まらずに走り続けた。
 その結果、彼は見ず知らずの誰か守ることに命を懸け――助けた誰かに見限られ、殺された。

 もう1人は、青い青年のロボット。心優しい彼もまた、見ず知らずの場所にいきなり放り出され、戦いを強要された。それでも、彼は誰かを助けること、誰かを守ることを忘れずに行動し続けた。まるで、先程の少年のロボットに同調しているかのように。
 だが、戦いの中で些細な誤解から犠牲が生まれ、その絶望に彼は押し潰された。戦いの中で守るべき者を殺してしまい、更生させるべき者に庇われて死なせてしまい、彼は、優しく、強く、平和を愛するが故に――1人で、戦いを潰す為に戦い始めた。
 戦うもの達の善も悪も問わず、ただ“戦いそのもの”を悪しきモノとして、彼は修羅の道を往った。戦いを潰す為に善いモノをも殺し、守るべきか弱い存在さえも見捨てた。
 だが、そんな彼を、自分以上に心優しく平和を愛していた戦士の死という更なる絶望が襲った。
 絶望の中、彼は心を完全に鬼として、戦うもの、戦わせるもの、戦いを広げるもの、戦う意志を持つもの、それらすべてを敵として、破壊するために戦い続けた。
 そして、その戦いの果てに――彼は、自分と同じ正義を志す戦士達を道連れにして、最期は親友の手によって討たれた。
0366FX ◇9DPBcJuJ5Q代理
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2009/11/09(月) 00:13:27ID:AZjJoaqG


 赤いロボットが語り終えると、暫く、エックスの思考も身体の動作も停止していた。
 だが、やがてわなわなと身体が震え始め――
「酷い…………そんなのって、そんなのってあんまりじゃないか……!」
 ――その目から、涙が溢れ出した。
 どんなロボットも持たない、エックスだけの特別な機能。それが、『泣く』という機能だった。
 とめどなく涙が溢れ出るほどに、エックスは2人の戦士の末路を我がことのように悲しんでいた。
 その涙を見つめながら、赤いロボットは更に言葉を続ける。
「だが、事実だ。現実に、そのようなことが起こり……今も、もしかしたらどこかで同じようなことが起きているのかもしれない」
「そんなの……許せない。そんなことがあるなんて、俺には……!」
 正しい者ばかりが、理不尽な暴力と絶望に打ちのめされる。
 そんなことがあっていいのか? そんなことが許されていいのか?
 少なくともエックスには、そんな現実を、そんな世界を認めようとは思えなかった。
 その想いも、ライト博士が作り上げた人工頭脳によるものなのか。それとも――もっと別の何かによるものなのかは、誰にも知る由は無い。
「ならば、この事実を知ったお前は……これからどうする?」
 エックスの流す涙を見つめながら、赤いロボットが更に問うて来た。
 本来ならば、稼動したばかりのエックスは答えに詰まっていただろう。
 だが何故か、赤いロボットが語った2人の戦士の末路を聞いた今では、すぐに答えが出てきた。
「俺も戦います。彼らと同じように、この力を正しいことのために――世界の平和と、みんなの笑顔を守るために使う!」
 それこそが、自分の存在する意味、自分自身で選んだ在り方、ロックマンXの生きる道だと、エックスは断言した。
0367FX ◇9DPBcJuJ5Q代理
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2009/11/09(月) 00:13:56ID:AZjJoaqG
 それを聞いて、赤いロボットは納得したようにゆっくりと頷き――
「そうか。なら、それでいい」
 ――一瞬だけ、とても優しく微笑んだ。
 その笑顔に、エックスは誰かの面影を重ねた。
「だがな、決して忘れてはならないことがある」
「決して、忘れてはいけないこと?」
 エックスが聞き返すと、赤いロボットはゆっくりとした口調で話し始めた。
「お前のその想いがある限り……どんな時でも、どんな場所でも、お前は決して独りではない、お前の心は孤独にはならない、ということだ」
 言うと、赤いロボットは何かを取り出し、エックスに手渡した。
「これは?」
 それは、何かのグリップだった。
 煤けてボロボロで、一部は中身の機械が露出し、付いているボタンを押しても何も起こらない。
 これが、一体なんだというのだろうか。
「先程の2人とは違う……暗闇に操られ、絶望の底に叩き落されても尚、その暗闇を打ち払い、自分の信じる正しいもの――正義の為に、最期まで……戦い抜いた男が……持っていた、もの、だ」
 赤いロボットはエックスの疑問に答えてくれたが、何か様子がおかしい。
 しかしエックスがそのことを問い質す暇も与えず、赤いロボットは更に語り続ける。
「その男の名も、Xだった。……エックス、俺の言葉と、彼らの……存在が、遠く、時空を隔て、ても……確かに、常に……共に在ること、を……忘れる、な…………」
 言葉はそこで途切れ、赤いロボットはまるで糸が切れたように、ガクリ、と膝を崩した。
 エックスは慌てて、彼を抱き止めた。
「どうしたんですか!? しっかり、しっかりしてください!!」
 エックスは何度も、必死に赤いロボットを呼び続けた。
 だが、彼から返事が返ってくることは無かった。


 これが、出来の悪い兄から、お前にしてやれる、最初で最後の、せめてもの事だ…………。
 …………ロック、エックス……すまなかった。ライト博士も、申し訳、ありませんでした……。
 キング、シグマ。待たせたな。俺達のような機械にも地獄があるのなら……俺も、今、逝く、ぞ…………。




0368FX ◇9DPBcJuJ5Q代理
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2009/11/09(月) 00:14:25ID:AZjJoaqG



 フォルテが、ワイリーナンバーズの大半が破壊されても尚、今回もまたしぶとく逃げ延びたワイリー博士は、しかし今までとは違う様子だった。
「許さん……許さんぞライトぉ……! ロックマンX! よくも、よくもわしの夢を! ワシの野望をぉぉ……!」
 泡を吹きながら、その言葉をまるで呪詛のように繰り返しながら、ワイリー博士は生き残った数名のワイリーナンバーズと共に秘密研究所に篭り、研究に没頭した。
 その只ならぬ様子にシャドーマンとシェードマンは息を呑み、しかし何も言うことが出来なかった。
 ワイリー博士には、もう……時間が無いのだ。

 ワイリー博士の研究とは、何か。――それは、ワイリー博士の夢を叶えるためのもの。
 ワイリー博士の夢とは、何か。――それは、ワイリー博士の生きがい。
 では、ワイリー博士の生きがいとは、何か?
 世界征服?――違う。
 ロボットによる、ロボットのための、ロボットの世界を作ること?――違う。
 ワイリー博士の研究が目指すもの。
 ワイリー博士の叶えたい願い。
 ワイリー博士の生きがい。
 それは…………トーマス・ライトを、ロックマンを超えること。
0369FX ◇9DPBcJuJ5Q代理
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2009/11/09(月) 00:14:48ID:AZjJoaqG
 ゼロっ わしの最高傑作!!
 倒せぇ わしの敵!!
 わしのライバル!!
 わしの生きがい!!
 倒せ! あいつを!!
 行けぇっ!! そして……破壊せよ!!

 最期にそう言い残して、シャドーマンとシェードマンに看取られ、ワイリー博士は息を引き取った。
 その傍らには、金髪の赤いロボットが眠っていた。

 奇しくも、それと同じ頃。

 新たなる英雄を封印したライト博士もまた、多くの人やロボットに惜しまれながら、永い眠りに就いていた。
 “悪の天才科学者”アルバート・W・ワイリーと、“ロボット工学の父”トーマス・ライト博士。
 思惑は違えども、人類の二大頭脳が共に未来へと遺したモノ。『未来への遺産』の名は――

 ――ZとX。即ち、最後のモノ達――






0370FX ◇9DPBcJuJ5Q代理
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2009/11/09(月) 00:15:27ID:AZjJoaqG



 何時かの時代。
 何処かの場所。
 其処に、遺されたモノ達の姿があった。
 彼らは、同じ時代に生き、同じ場所で前に進んでいた。
 それが、互いに背を向けた地獄へと至る孔か、互いを見失った天国へと至る階か、それとも――共に歩む、現実を生き抜く茨の道か。
 それを知る者は、今、この時には誰もいない。
 それは、語り継がれる物語ではなく、新たに語られていく物語。




                      The following story is the Future X.
0371FX ◇9DPBcJuJ5Q代理
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2009/11/09(月) 00:16:09ID:AZjJoaqG
673 名前:FX ◆9DPBcJuJ5Q[sage] 投稿日:2009/11/09(月) 00:01:53 ID:bNRA1RwE0
以上で投下終了です。
御意見、感想、指摘などは遠慮なくお願いします。


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代理投下を終了します。
0372参加するカモさん
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2009/11/09(月) 00:22:48ID:AZjJoaqG
読了。
投下乙です。
まさかここでエックスが現れるとは。
彼は修羅になる道を歩むのか、ロボロワを保管するエピソードだったと思います。
0373参加するカモさん
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2009/11/09(月) 04:21:45ID:5ctvS8aN
同じく読了
ブルースが渡したモノはライドルでいいよね

ワイリーとライト博士の二人にとってロックマンという存在の大きさがとても伝わってきました

そしてゼロとエックス、二人の邂逅を願わくば幸多きものであると祈ります

イクスもでてこないかなぁ
0374 ◆2Y1mqYSsQ.
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2009/11/09(月) 18:04:52ID:AZjJoaqG
未来人の世界、サイボーグクロちゃんの世界のエピローグを投下します。
0375マクガフィン ◆2Y1mqYSsQ.
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2009/11/09(月) 18:05:26ID:AZjJoaqG

「ハカセ、やっぱり手がかりなし」
「そうか、もうちょっとだけ頑張ろう、コタロー君。せっかくT-800さんも協力してくれるんだし」
 タマゴのように丸い中年の、どこか薄汚れた男が、黒猫のスーツを全身にまとう少年へと返答した。
 白衣を着けた丸い中年を剛万太郎、黒猫のスーツを着けた少年をコタローと呼ぶ。
「こちらが残された平行世界移動装置が使われた履歴です。剛博士」
「ああ、ありがとう。……ところでマタタビ君はどこだ?」
「ハカセ、マタタビ君ならターミネーターさんたちのもてなしを受けてダラダラしているよ」
「だらしがないなー。ごめんね、T-800さん」
「いえ、お気にせずに。スカイネットより、もはや“唯一”の人間であるあなた方に協力するよう伝えられていますから」
 T-800の言葉に剛は周囲を確認する。道をいき通う人々の表情はない。
 それもそうだろう。彼らはすべて、人間のために行動をするターミネーターなのだ。
 この人間が滅んでいる世界に彼らが存在するのは、皮肉なのだろうか。
 剛にはわからなかった。



「やっと完成したよ。コタロー君」
 そういって剛が自慢げに掲げるのはなにかの探知機に似ていた。
 もっとも、コタローにはその正体がわかる。共同開発した物なのだ。
「次元探知機……修復した次元移動装置と合わせれば、消えたミー君、クロちゃんを探すことができますね! ハカセ!」
 ああ、と剛は自信満々に頷いた。異世界へ旅立った彼らは、行くときにミーを、帰るときにクロを見失ったのだ。
 次元波の奔流を前に、剛は調査を開始。クロやミーを異世界とは違う、別の世界へ落としてしまったのだと結論をつけた。
 それからの剛の動きは素早く、天才的であった。コタローが協力したとはいえ、次元移動装置を修復して探知機まで作り出す始末だ。
 それほど彼にとってミーは大切なのだろう。
0376マクガフィン ◆2Y1mqYSsQ.
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2009/11/09(月) 18:06:01ID:AZjJoaqG
「さっそくこいつに乗ってミー君とクロを探そう!」
「はい、ハカセ!」
 コタローが力強く頷いて、乗り込んだ瞬間研究室のドアが開いた。
 蹴破った正体が現れる。虎猫に、片目を眼帯に隠した彼はよく知っている存在だ。
「待て、拙者も付いていこう」
「マタタビく〜〜ん!!」
 剛が感激の涙を流し、抱きつこうとするが気持ち悪いと殴り飛ばされる。
 酷いと剛が抗議するのだが、マタタビはスルーして席に着いた。
「キッドめ! この眼の借りを返すまでは勝ち逃げは許さんぞ!」
「またまた、そんなことをいって〜」
 キッとマタタビがコタローを睨むと、コタローは慌てて「冗談だよ、冗談!」と誤魔化した。
 剛は鼻血をティッシュに吸わせながら、次元移動装置のスイッチを入れる。
 ナナが姿を見せていないということは、いつもの場所でクロを待っているのだろう。
 絶対連れ戻さなくては。
「待っていてくれ、ミー君、クロ。必ず見つけるからね」
 剛の決意と共に、次元移動装置が姿を消す。
 莫大なエネルギーが流れて、光の奔流へと彼らは飛び込んだ。



「いや〜、極楽極楽」
「も〜、マタタビ君もちゃんとクロちゃんたちの手がかりを探してよ!」
 マタタビは付いてきてくれたターミネーター、T-800の手によって運ぶベッドつき御輿でごろごろし、果物を食べていた。
 剛たちがこの世界に来てすぐ、周りはありとあらゆる歓迎を施してくれたのだ。
 剛たちは疑問に持ったのだが、マタタビだけは本能に従って歓迎を受け入れた。
0377マクガフィン ◆2Y1mqYSsQ.
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2009/11/09(月) 18:07:04ID:AZjJoaqG
 とはいえ、すぐに彼らがなぜ歓迎したのか理解した。
 彼らは人間に奉仕をするために作られたターミネーターという存在なのだ。
 しかし、彼らは奉仕先を失っていた。なぜなら、人類は滅んでいるのだ。
「コタロー君、来てくれ。人類を滅ぼした原因の病原菌だ」
「ハカセ、そんなものがなんの役に立つっていうんですか?」
「いいから見るんだ。ほら」
 剛に強制されて、コタローはしぶしぶと病原体を見ることにした。
 もちろん、厳重に封印されているため、慎重に動いたのだが。
 電子顕微鏡をふてくされた顔で覗いたコタローに、驚愕の色が広がっていった。
「こいつはコタロー君を殺しかけたゾンビウィルスだ」
 剛の言葉に、コタローは思わず身震いをする。
 このゾンビウィルスは、最初の感染者をゾンビに変えて、人肉を求めて襲わせる。
 そして噛まれた人間もゾンビとなり、四時間以内にヘビビンガーの牙を砕いて飲ませねば一生ゾンビとして過ごすことになるのだ。
「そのウィルスは、犯罪者集団が平行世界移動装置によって手に入れたものでした。彼らはテロでその細菌を世界中にばら撒き、そして人は戦争を起こしました」
 スカイネットがつけたT-800が淡々と語る。その犯罪者は手に入れた細菌兵器の情報を一切隠蔽し、世界中にばら撒いた。
 彼らは極端な機械嫌派であった。ターミネーターたちを生かす上層部に我慢がならなかったのだ。
 『人間をあるべき姿へ』と彼らは理想を掲げ、人類の滅亡を選択した。
 もっとも、最初は彼らは人類を滅亡させる気はなかったのかもしれない。
 しかし、彼らがばら撒いた細菌によって人類は次々とゾンビと化し、混乱からゾンビを死滅させようと動き、親しい人間がゾンビと化して元に戻ると縋った人たちはそれに反発をし、人類が戦争を起こしたのは事実だ。
 ヘビビンガーの牙もない人類はゾンビによって追い詰められ、戦争によって荒れた人類の精神は核という最終手段を行ってしまった。
 ターミネーターももちろん、数を減らし傷ついた。それでもごく僅かに、スカイネットが庇護するターミネーターは生き延びた。
 いや、生き延びてしまったのだ。
0378マクガフィン ◆2Y1mqYSsQ.
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2009/11/09(月) 18:08:08ID:AZjJoaqG
 もともとはこのウィルスも、平行世界移動装置によって開催されるバトルロワイアルの余波で起きた事件だ。
 立ち直る機会を与えられても、無にした彼らには当然の結末であった。
 とはいえ、その真実を剛たちに告げられることはない。彼らは真実を知らず、ただこの世界の人間が滅んだという結果だけを受け入れた。
「けど、これで希望が出たのかもしれない」
「どういうことですか? ハカセ」
「こいつが存在するってことは、クロやミー君がこの世界を通った可能性が高いってことだよ、コタロー君!」
「さすがハカセ!」
 ただ、自分たちの存在を知る物質がある。それだけで彼らには希望がわいた。
 彼らはもはや、藁にも縋りたかったのだ。


 ターミネーターたちは剛たちがバトルロワイアルの被害者であることを気づいていた。
 ミーとは未来人が結末を知らない唯一のバトルロワイアルに巻き込まれた参加者、という事実が履歴で判明している。
 人類に奉仕する、というプログラムには多少反するのだが、この世界に居ついてもらうには仕方がない。
 奉仕する対象の人間が偶然たどり着くのを待つのは、スカイネットも疲れざるをえなかった。
 意思を持つほどの発達した機械。それはいい事尽くめというわけにはいかない。
 精神的に発達した存在は、たとえ機械でも疲労を覚える。
 おまけに、人類の設けたリミッターによってそれ以上に成長することもない。
 これは宿命であった。



「駄目だ、平行世界移動装置が存在するんだから、次元波なんてそこらじゅうに存在しているよ」
「ハカセ……」
 はあ、と大きくため息をついている剛を、コタローは気遣った。
 彼はミーに会いたいと、寝る間も惜しんで探索を続けたのだ。
 チリ一つ落ちていない、整理された命の暖かさを感じない道路で剛は腰を降ろす。
 もうミーには会えないのだろうか? だとしても最後はどうなったのかは知りたい。
0379マクガフィン ◆2Y1mqYSsQ.
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2009/11/09(月) 18:09:07ID:AZjJoaqG
 強く、強く願うのに現実の壁はどこまでも高かった。
「おう、剛殿。コタロー殿」
「マタタビ君! 酷いよ、一人だけごろごろしているだなんて……」
「よせよ、コタロー君。マタタビ君だってクロたちが心配でここまで来てくれたんだから」
 剛が八つ当たりをするコタローを諌め、コタローはなにか理不尽な想いを抱えてしまう。
 そのコタローにいささかひるみながら、マタタビはコホン、と一つ咳払いをした。
 どうやら気にしているらしい。
「いや、実はT-800殿がいうには、昔に平行世界移動装置とは違った次元波が感知された場所があったらしい。そこへ向かって見ないか?」
 マタタビがすべて告げ終える前に、コタローと剛は足を動かしてT-800のもとへと向かう。
 マタタビが必死に追いかけるが、動きを止める暇はなかった。


 結論から述べるのなら、剛たちが発見した次元波は確かに他の次元波と違っていた。
 これはタイムパトロール隊が送ったタイムボールの次元跳躍の揺らぎであった。
 当時、未来人たちの技術をもってしても特定ができなかった次元波である。
 剛は探知機を使い、大まかな時間しか特定できなかった。
 誤差が出るかもしれないが、これを辿っていけばクロたちの行方を知るかもしれない。剛は一つの希望をえた。
 それは『ミーが連れて行かれたバトルロワイアルの開催世界』、つまりはエックスたちの世界へ向かうこととなる。
 すぐに次元波を解析して、次元移動装置にプログラムしていく。
 その剛に、いままで世話をしてくれたT-800が着てくれた。


「やあ、T-800さん。お見送りですか?」
「ええ。そのついでといってはなんですが、あなたがたにお願いがあって着ました」
 T-800がかしこまった口調に緊張しながら、次の言葉を待つ。
0380マクガフィン ◆2Y1mqYSsQ.
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2009/11/09(月) 18:10:14ID:AZjJoaqG
 T-800の口が開き、剛たちに懇願してきた。
「用を済ませたのなら、我々の世界に居ついてくれないでしょうか?」
 随分とストレートに告げたものである。
 奉仕する対象のいない機械ほど、虚しいものはない。
 彼らは人間を傷つけてまで、平行世界移動装置を使って拉致することができないようになっている。
 ならば、彼らのように偶然この世界にやってくれるか、次元の穴からこちらに落ちるか。
 どちらも天文学的な確率である。期待は出来ない。
 このチャンスを逃せば、この世界に人間が存在することは不可能だろう。
 縋る意外スカイネットに使える手はなかった。
 どう応えようか、剛が悩むそばでマタタビが返した。剛がはっきりと告げるのに時間が必要だと悟ったのだろう。
 マタタビにしては珍しく、その答えは淡々としたものであった。
「……それはできないな。拙者たちには目的があるし、今の世界に不満があるわけでもない」
「そうですか。強制はできないのですが……もしも覚えてくだされば、この世界に住むことも検討してください」
「はい。T-800さん、スカイネットさん、お世話になりました」
「それともう一つ、提案があります」
「え?」
 剛が疑問を示し、T-800はスカイネットが出した提案を彼らに告げることにした。
 これは彼らにとって最後の手段だったのだろう、と後に剛は思い返すことになる。
「もしもあなたたちの大切な方が見つからなかったり、亡くなったとしたら……別の次元から彼らをつれてくることが我々に可能です。
ですので、もしも見つからなかったときは……」
「T-800さん、申し出はありがたいけど、ワシは断るよ」
 なぜ、とT-800が疑問を示す。それに対し、剛は……いや、コタローもマタタビもどこまでも穏やかな表情であった。
「もし、ミー君を別の次元から連れ戻しても……それはワシと共に過ごしたミー君じゃないんだ」
「それはただの感傷では?」
0381マクガフィン ◆2Y1mqYSsQ.
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2009/11/09(月) 18:10:54ID:AZjJoaqG
「そうだな、感傷だ。しかし、ワシはミー君がいなくなると悲しい。
ワシの知るミー君は……クロも、他人(別次元の剛たち)を傷つけてまで、ワシらと再会する(であう)ことを良しとしない。
そして、別次元の他人(ワシ)と生きる彼らは、もはや他人に過ぎないのだ。どれほどこちらが想おうと……」
 剛は切なげに告げて、目を伏せた。どれほど想おうと、どれほど会いたかろうと、別次元に住む彼らは似ているだけの存在だ。
 同じ名前、同じ姿を持つだけの他人であって、剛たちが、他の大切な人を喪った誰もが関わりを持つべきでも、続きを描かれるべき存在でもなかったのだ。
 顔と名前の同じ彼らの物語を他人が知る必要はない。
 それは剛たちの世界の、ミーとクロを否定する行為に違いないのだから。
「だから、ワシはワシの世界のミー君を探すのさ」
「それでもし……彼らが死んでいたとしたら?」
「……そりゃ決まっている」
 思いっきり泣くさ、と剛は礼と共に告げて、次元波を追って次元移動装置を動かす。
 もはやターミネーターたちと交わす言葉はない。彼らは彼らの世界を生きていかねばならないのだから。
 徐々に消えていく次元移動装置をT-800は見届けた。


 余談だが、彼らは次元波が示す時間から、百年先の世界へとたどり着く。
 そこにはクロも、ミーも結末を知る人物が一人いた。
 彼らがクロたちの結末を知るのは遠い未来ではない。
 その真実を知ったとき、この世界を見た彼らはなにを思うか。
 もはや知る術はなかった。



 剛が消えて、幾千年経っただろうか。
 人類のいない世界で、平行世界移動装置も使うこともなくスカイネットは自殺という行為をとることを決めた。
 彼らに進化はない。思考の成長もない。
 すべては機械を嫌い、嫌悪した未来人たちの行為の結果だった。
0382マクガフィン ◆2Y1mqYSsQ.
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2009/11/09(月) 18:11:47ID:AZjJoaqG
 ターミネーターたちは夢を見ない。完全人類上位の世界には人間が存在しないのだから。
 行動をすべて人間のために定められたスカイネットは、機械たちの機能を停止した。
 機械の自殺とも言える行為。
 こうしてようやく、死せる世界が静止した。



 こうして幕裏の物語は終りを告げる。
 終りにしては波もなく、変化もなく、盛り上がりもなく、救いも成長もなかった。
 あれだけ多くの人間を悲しみに陥れた割にはなんともつまらなく、あっけない結末だ。
 それもそうだろう。
 彼らは語られるべき存在ではなかった。
 彼らは続きを与えられるべき存在ではなかった。
 彼らは物語の終りを飾るべき存在ではなかった。
 彼らは報いを受けることもなく、報われることもない。
 絶望を与える必要もなく、希望を持つ必要もなかった。
 不幸を突きつけることもできないし、幸福感をあたえることもできない。
 滅びによってもたらせるカタルシスなどない。
 存在することによってもたらせる絶望感などありはしない。
 彼らの存在意義は『バトルロワイアルを起こした』ただ一点にある。
 それ以外の語りなど、余計以外に相違ない。
 なぜなら彼らの物語など、ただつまらないだけであったのだから。
0385参加するカモさん
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2009/11/09(月) 19:45:58ID:MPWyAIZ1
おお、書き込めた。
こないだの大型規制→解除→規制→解除→規制→解除
なにこの間隔の短さ。どういうことなの……

今のうちに両者乙
ロックマン世界の予約が来た時はどうくるか不思議だったけれど、まさかこう来るとは
しかしワイリーはやっぱいいね
未来人の方も面白かった
全体に流れる荒廃した雰囲気が好み
0386名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2009/11/09(月) 20:40:49ID:Ift1pHMq
二人とも乙です。

ジェントルマンな口調のシュワちゃんが新鮮だなぁw
ぴっちぴちの黒スーツを着ている様子が目に浮かぶw
0387参加するカモさん
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2009/11/10(火) 11:13:14ID:OJAydGD8
投下乙です。
すっとした終わりかたでよかった。
剛クンが絡むとは思わなかったけどw


そういや投票ってもう始まってるんだよね?
0390参加するカモさん
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2009/11/10(火) 23:22:16ID:+vpHtKGr
投票はもう始まってたんだぜ! 俺もまだ考え中だけどね。

それはそれとして、投下乙です。
人間に対して礼儀正しいT-800が新鮮でしたねw
けど、やっぱり剛くんとコタローくんは凄いな。たった2人で並行世界まで来てしまうとは。
未来人達の末路も、なんだか納得できましたね。手痛い竹箆返し、とでも言うべきでしょうか。
GJでした!
0391集計担当 ◆9DPBcJuJ5Q
垢版 |
2009/11/13(金) 23:18:00ID:OMXsuBTa
私の不手際で投票の告知が不十分であり、皆様に今回の投票の開始を報せるのが遅れてしまいましたので、
投票の期限を21日まで、1週間延ばしたいと思います。
最後の投票であることも考慮すれば、投票期間は最初から長めに設定しておくべきでしたね。申し訳ありません。

私に代わってきちんとした告知をして下さった方、本当にありがとうございました。
0393名無しでいいとも!
垢版 |
2009/11/18(水) 09:45:51ID:xpFXeYJl
このスレを見ていると、本当に完結したんだなーって気になってくる
面白かったなー……
0394参加するカモさん
垢版 |
2009/11/20(金) 10:17:54ID:+lkTETxR
そろそろ人気投票終わりそうだな
投票する人はお早めに
0395参加するカモさん
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2009/11/20(金) 11:20:08ID:8IogX3qK
21に終わりってことは、この約半日で締切かな
投票してない方は、お早めに!
0396参加するカモさん
垢版 |
2009/11/20(金) 12:48:56ID:f1/tpm6c
久々に来てまとめサイトとか見てみたらドラスきゅんの絵があああああああ
誰か教えろよおおおお
0397参加するカモさん
垢版 |
2009/11/20(金) 13:21:52ID:8IogX3qK
イラストといえば、こないだパロロワフォルダイデって保存してた支援絵全消滅したの思い出したorz
まとめに収録されてない絵、もう見れないんだよなー……おのれイデゆ゛る゛さ゛ん゛! あーうーあー…………
しかしここ支援絵結構あったよなー嬉しいことだぜ。最終回の時に書き手さんには言ったが、すっかり忘れていた。描き手さん方も、ありがとう
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