>>602
羽生
そういう覚悟をしながらぼくは生きてきたようなところがあるので、なんていうんですかね、いつ世界が終わってしまっても、これをやらなかったな、って、後悔はしないような生き方はしてる気はしますね。

糸井
‥‥そういうことを、若い人から言われるとは、思ってもみなかった。

羽生
(笑)

糸井
つまり、先があるって思い込んじゃダメだよ、っていうのは、年寄りのほうが思うんですよ。もう、たくさんのことはできないんだから、悔いのないようにやりたいことをやろう、っていうのは、終わりが見えてくると思うんだけど、若い羽生さんがかなり切実に、しかもふつうにそれを言うのはちょっと驚きました。

羽生
それもやっぱり震災を味わったからこそ、っていうのも、ありますかね。

糸井
震災は、大きかったですね。あのとき、かなりの人がいろんなことを覚悟しましたよね。

羽生
ぼくも、練習中だったんですけど、そのときは、この建物崩れるかもって、すぐに思うぐらいでしたし、このまま死んでいくんだなっていうのは正直、あのときに思いましたし。

糸井
うん、うん。