神楽坂の居酒屋といえば、まずは「伊勢藤」から始めてみましょう。
神楽坂のランドマーク、毘沙門天の正面の路地を入って右手に見える、古民家と縄のれんが目印。
縄のれんの横の木戸をくぐると、昭和30年代とおぼしき風景が眼前に広がります。
土間にテーブル席がひとつ、低いカウンターの中に囲炉裏が切ってあり、剃髪に作務衣姿の店主がまるで茶道のお手前の様な仕草で燗を点けています。
ココの酒は、「白鷹」の燗酒のみ。
店主は徹頭徹尾、お燗番。他に作業はしません。
料理は、
黙って座るとお通しの小鉢が6品ほど。味噌汁もつきます。たいていは、これだけでお銚子2本はいけます(お通しと燗酒2合で、3,000円くらい)。
この他にも、「くさや」等のお酒の友の定番メニューが揃ってます。
店内は、店主の厳粛な雰囲気を察してか、静かな緊張感に満ちています。
姿勢を正して、つまみを味わい、酒を味わう。酒を呑みながら、禅の修行をしているような空気があります。
時おり、興が乗って店内が騒がしくなると、「どちらさまもお声が少々高う御座います。お静かにお願いいたします。」と店主から声が掛かる。凄い店です。