追憶に際して過去の遺物は其処に在り
邂逅と別離の輪廻の中でも澱のように
継ぎなる命につなぐ橋を渡れば眼下に
水深は測り知れぬ煉獄の川縁に居りて
其の人は何も言わず使者を通らせるが
ある時一人の少年を引き留め語るには
橋の向こう側へ別の橋が有るのですと
虹彩を放つ水面を指差し涙を流し始め
遠く空にかかる雲を見ると犬が吠えた