どうやら、蒼いのは狼じゃないらしい。
チンギス・ハンの半生を描いた『蒼き狼〜地果て海尽きるまで』(澤井信一郎監督)の客入りが悪いという。

製作費30億円、宣伝費9億円、オール・モンゴルロケ、エキストラ2万7000人、
邦画実写映画では史上最多の444スクリーン公開、世界60カ国配給! 
公開前の“鳴り物”は製作総指揮の角川春樹(65)らしさ全開だったが、
銀座のピカデリー1をのぞいてみると、日曜午後にもかかわらず、会場の3分の1も埋まっていない。

「それでもうちは多い方だと思いますが、目標の興行収入40億円は難しいでしょうね」(劇場関係者)

業界関係者はいう。
「40億円どころか製作費すら回収できないといわれています。
配給元の松竹はもちろん、初めて映画に出資したエイベックスも、狼でなく自分たちが蒼ざめています。
松竹系の映画館など、角川が製作指揮した東宝配給の次作『椿三十郎』の予告まで流されていい面の皮」

モンゴルの話なのに、出て来る役者が日本人ばかりとか、ストーリーが単純すぎるとか、
製作権の侵害で訴えられたとか、負の要素ばかりが報じられるようになってきてはいるのだが、
見所がないわけではない。

モンゴルの広大な草原で、5000人が演じた騎馬の激突シーンはさすがに圧巻。
「角川監督の『天と地と』を思い出しました。モンゴルで川中島の戦いを撮りたかったんだなあと」(観客)

公開初日に観賞した、安倍首相だって言っていた。
「馬が疾走するシーンとか、良かったですよ」

http://www.shinchosha.co.jp/shukanshincho/20070329/tempo.html