俺は沖縄の軍用地主だが、学校を卒業して以来、一度も就職したことがないし働いたこともない。
もちろんアルバイトの経験もない。
沖縄は戦後、米軍が民間人の土地を奪ってそこに基地を建設したので米軍に基地を提供している日本政府が米軍の代わりに地主に対して借地料を払っているが、沖縄には推定約3万人の軍用地主がいるといわれている。
嘉手納弾薬庫など嘉手納基地周辺の軍用地主には年間数千万円の軍用地料を受け取っている人がいて、なかには年間数億円もの軍用地料を得ている人もいる。
軍用地は一般の土地と比べて固定資産税が優遇されたり、担保価値が高く借地料は毎年上がるというメリットがあるので人気が高い。
そのためか沖縄の琉球銀行や沖縄銀行、沖縄海邦銀行などの金融機関では「軍用地ローン」という商品も用意されている。
また、沖縄には「軍用地買います、売ります」と書かれた看板を掲げている不動産屋がたくさんあるし、沖縄タイムスや琉球新報といった地元紙には毎日のように「軍用地買います、売ります」という広告が掲載されている。
このように軍用地に関する金融商品を取り扱っている銀行や、軍用地の売買に関する土地取引を活発に行っている不動産屋があるのはおそらく沖縄だけだろう。
ちなみに自分が所有している軍用地はキャンプフォスター、キャンプコートニー、キャンプ瑞慶覧、キャンプハンセン、キャンプキンザー、キャンプ桑江など10カ所程度。