男女で異なる「年の差婚報道」への反応

天野 馨南子 : ニッセイ基礎研究所 人口動態シニアリサーチャー 


残念ながら、有吉さんや星野さんのような芸能界の男性がかなり年上の「年の差婚報道」を見て、独身女性から「かなり年上でもいいのでお金持ち男性は登録していますか」という問い合わせは増加しません。

女性はというと、お申し込みの基準は人によって、かなりばらついており、重視する条件(年齢、容姿、身長、年収、職業、学歴、婚歴、親との同居有無などなど……)について、男性のように共通した優先順位の傾向があるわけではなく、「優先度はその人による」という結果がでています。

つまり、女性のほうが芸能人の年の差婚報道をみても「そういう人もいるよね」というレベルの受けとめ方が多いのだと思われますが、男性はというと、報道される年の差婚カップルの女性の容姿が魅力的であるほど、「すばらしい。自分もそういう結婚がしたい」となる傾向があるようです。


40歳以上の初婚男性の結婚は全体の8.8%

2019年に結婚した初婚カップルの男性のピーク年齢は27歳(2.9万件)、女性のピーク年齢は26歳(3.3万件)で、男女ともその年齢から離れるほど加速度的に結婚件数が減少していきます。

2019年に結婚生活に入り、かつ婚姻届けを提出した男女とも初婚同士のカップルは33万9418組でした。そのうち圧倒的な割合を占めたのは20代男性の結婚(52.6%)です(図表1)。初婚同士の夫婦の半分以上が20代までの夫となっています。30代男性の結婚割合は37.7%に下落し、20代男性が大きく引き離している様子がわかります。

たとえば40歳の男性の結婚は5128件ですが、44歳は2708件となり、同じ40代前半でも、1歳でも若い年齢の方が、お相手探しがはるかに楽になることがわかります。女性も同様で、32歳では1万4199件ですが、34歳1万830件、35歳8972件と、こちらも先延ばすほどに出会いが遠のく、といった統計結果です。