やめられない♪とまらない♪かるびぃぃぃい かっぱ
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「えびせん」
と彼女は静かにつぶやいた。
僕は手に読みかけの本を閉じ、もっていた食べかけのスナック菓子を彼女に渡した。
彼女は本を読みながらも無言でそれを受け取った。
こちらには顔も体もむけず、袋にも対して目も向けずに、側面の脂に気をつけながら、しかし確実に袋の中から3つえびせんを取り出した。
みっつのえびせんは彼女の指にもてあそばれつつ、ひとつ、またひとつと、彼女の口の中へと入っていった。
そんな情景を、焦点もさだめずに眺めていた。
『いつからこうなってしまったのだろう』
ふと、そんな考えが思い浮かぶ。
僕は彼女の袋を強引に奪い取った。
ビックリした表情をこちらに向けてきた。
「なに?」とでも言いたそうな、しかしそんなに重要でもない顔をこちらに向けている。
いつまで続ける気なのだろうか。
ふと、イライラしている自分に気付く。
袋に視線をおとし、何も考えずにそれを握りつぶした。
瞬間、彼女は小さくアッと声を出す。本をもっていない手がほんの数センチだけこちらに動いた。
しかしそれだけだった。
そのまま二人は止まり、僕が彼女に視線を向けると、やっと彼女は目だけをこちらに動かした。
「なにやってんの」
何を怒っているんだろう。
何故怒られているんだろう。
子供のように、理不尽にはむかいたくなる。
しかし、何も言わない。
ただ考えているふりをする僕がそこにいた。
そんな自分を認識してしまい、逃げ場がなくなった。
僕は「ごめん」と一言つぶやき、黙った。
彼女は「ふーん」と繋がりの無い言葉を繋げてまた本へと視線を戻した。
少しだけ、また焦点のさだまらない視線をそちらに向けて、
袋をゴミ箱に捨てて、僕も本を開いた。 ここは週一で>>1が自作の詩や小説を披露していくスレでいいんですよね なに縛ってるんスか。え?まじ?とりあえず感想くらい言えYO 本を開いて彼女の横に寝転ぶ。
僕の身体がベッドに沈み込み、反動で彼女の顎がかくんと上下した。
その時、僕は突然深い睡魔に襲われた。
本の端にひっかけた親指がしなだれる。
せき止めていた左右それぞれのページが真ん中でぶつかり合い、やがて
束になり、行き場を無くした様に揺れていた。
瞼の上から黒い幕がゆっくりと降りてきて、ベッドに沈んだはずの僕の身体が宙に浮かんだ。
降りかかった幕の隙間から最後に見えたのは、乾いた目で僕を見下ろす彼女の顔だった。 静かな朝にストーブをつける音が響いて目が覚めた。
凍りついた瞼をゆっくりと溶かし、うん、と言って目を開くと君がいた。
おはようの交換をして、僕は体を起こす。
「コタツだけじゃ寒くって、ほら、外が静かでしょ?いきなりくるんだもの。」
言われて窓から外を見てみると、まぶしかった。
やあ、たくさんつもったね、後で外に行ってみよう、と言うと君はうれしそうに頷いた。
ぬくもりを体につめて、家を出た。
このあたりはもうタイヤに黒く染められていた。
近くの公園に行ってみよう、と車に乗り込む。
さらに街を黒く塗りつぶしながら、僕らは近所の大きな公園へと向かった。
公園には、まだ誰も来ていないようだった。
静かすぎて今日が始まったことに気付いていないのだろうか。
駐車場にうるさい車を黙らせて、僕らはすぐそこにある大きな広場へと向かった。
いつもは大きな枝をふりまわしている木々が今日は姿勢良く肩に雪を乗せて眠っている。
広場の中心の輝きに、何があるわけでもないのに、何となくで引き寄せられ、歩みを進めていった。
まどろむ雪が、しっとりと重なり合い、僕の足をからめとる。
少し休んでしまうと、その一息のうちに引きずり込まれそうな。
仲間を求めるようにこちらをジッと見つめるそれ、
巻き込みながらつぶそうとするそれから逃れるように、僕は君を見た。
君はそこに立ち止まり、けれどお仲間御免というように、ただ真昼の月を見ていた。
影のような雲が流れ動いて、ときたま見せる月模様、そのひとときに微笑んでため息をついた。
冬空の下、吐いた白い息が美しい。
そろそろ帰ろうかと声をかける。
君がやっとこちらを見て、ひとつふたつして駆け寄ってきた。
手前で転びそうになり僕の腕にしがみつく。
そのまま腕を抱きしめて、何色?と聞いた。
ホットミルクと答えて、二人で笑った。
雪は眠そうに僕らを見ていた。 >影のような雲が流れ動いて、ときたま見せる月模様、そのひとときに微笑んでため息をついた。
>冬空の下、吐いた白い息が美しい。
この二行を最初に書いた。
あとはつけたしつけたしで。
ここにいっぱいメッセージこめた。 (続きじゃないけど雪繋がりで。しかもポエム)
塀を見る、屋根を見る、その上を見る
煙が空一面にあふれてるな、どこかで火事か?
それにしては静かじゃないか
簡単なことだ
白い奴が来たんだよ
しんきくさいあいつらが来たんだよ
静かな奴らかと思ってると
ふらりほらりと勝手に顔に飛びかかる
おいお前ら!やいお前ら!黙って降るんじゃねえ!と叫んではみるが
言っても聞かぬ雪ばかり
はたいてやったらぺちゃりと小さな悲鳴をあげた
電線を見る、電柱を見る、アスファルトを見る
見たと思ったら、ずうずうしく奴らが腰をおろしてた
おいお前ら!やいお前ら!怠けてないでちょっとは動け!と叫んではみるが
わかってる、わかってるよ
奴ら、何言っても、俺が蹴るまでどきやしないんだ
お仲間固めてぶつけてやったらまたまた小さな悲鳴をあげて、すぐ怠けた
いつのまにかまぶしかったから上を見た
海が炎に変わってて
そんなかに一つ、小さな目玉焼き
おい黄身、白身はどうした
下もまぶしかったから下を見た
おい白身、黄身を残してなんできた
黄身も白身もだんまり通す
頭にきたから黄身の奴を醤油にひたしてやった
そしたらますます黄色くなって、うまそうに輝いてた
食えねえ野郎だ
あんまりまぶしいから黙って目つぶってやった 雪繋がりって書かない方が美味しかったと思うですこじんてきに 山香る
ちりゆく花と
秋布団
落ちるつるべは
瞼のむこう 音流れ
空ゆらす火に
頬をそめ
はねるみどりよ
瞼のむこう 「秋」
山香る
ちりゆく花と
秋布団
落ちるつるべは
瞼のむこう
「冬」
風凍る
臥せたる花に
白衾
降りつる霜の
瞼のむこう
「春」
音流れ
空ゆらす火に
頬をそめ
はねるみどりよ
瞼のむこう
「夏」
夏の夜は
まだ宵ながら
明けぬるを
月はいづこに
瞼のむこう べべが泣いたよ。無い、無い、無い。
このまま下がれば山の下。
お父さんはどこへ行くの?
お父さんは町へ行ったよ。
お父さんはお土産を買ってくるよ。
あまい、あまい飴玉を買ってくるよ。
べべが燃えた。真っ赤に燃えた。
暗闇は煙。ぶすぶすと広がる煙。
しかめっつらの太陽、いつのまにか月。
お父さんはいつ帰ってくるの?
お父さんはもうすぐ帰ってくるよ。
無い、無い、無い。
お土産はどちら?
ふらふらと足取りはふらり。
暗いから田んぼに落ちた。
ぼしゃり、ずぶずぶ、足だけ浮いた。
お父さん、はやくあがってきてよ。
猫がないた。
しぼられていく音に、お父さんもコキリとないた。 彼岸は残り火。
やがて来る秋は残り香。
尽きて、なくなれば、目を焼き焦がす光もなつかしく、そっと思い出そうにも虚空が邪魔をする。
風とともに陽を気持ち良くちらせていた緑は、今は全てを包み込む憂い色。
星すらも飲み込まれてゆく。
緊張と高揚と忘却の闇は、音を喰らい空をかすめとられ立ち尽くす。
この時の止まった日々に、次々と時間が通り過ぎる。
チラリとふらつく焦りに声をかけてみても、曖昧に叫び声をあげるだけ。
すべて灰色の空に薄まり溶けてゆく。
リン?
寝ているの?
瞼をそっと人差し指で撫でてみる。
まつげがあたり、六角形の崩れたような釘が首に刺さる。
突き抜けて、雲にとどくまで、僕の喉には穴があいていた。
穴だ。
塞ぎたくなるかい?
君が今目をあけたら、きっとこの穴は広くなる。
君はジッと、寝ぼけた目でそれを見つめるだろう。
ジリリジリリと灼かれ、腕が通りそうなほどにまでなり、君が手を伸ばす。
やめてくれ、さわらないでくれ、通したところで誰が幸せになれるんだ?
君の欲求が、白く柔らかい腕が、僕に近づく。
ポッカリとあいた穴は、君をするりとたやすく通し、
はじける。
僕の穴はついに大きくなりすぎて、心臓と頭をきりはなす。
心臓が僕を探してキョロキョロと、焦っているのか?
僕はもう嫌だよ。ありがとう。
頭は砂になり、探す手がゆっくりと崩していった。
ハッと目覚める
ふるえる指がリンの髪にふれていた。
怖くなって、ゆっくりとゆっくりと、離れた。
指先が熱い。
もぎ取って土に埋めれば、来年には綺麗な花を咲かせるだろうか?
指先が痛い。
いつのまにか、穴は消えていた。
僕も夢を見よう。
リンを見つめた、微笑んでいる。
決して開かない目を見つめながら、僕も横になった。
来る雪に、懐かしみの大地を駆けた。
けちらすように、前へ、後ろへ、散り散りにさせてやる。
舞って、落ちて、そしてまた舞って。
忙しい身に嫌気がさして、たまにフラリと溶けてしまう。
嫌いなんだ、すべてが。
僕の願いはかなわない。
全てが終わったというのに。
全てが終わっただけだった。
苛立ちをぶつける、思い切り踏みつける。
大したことのない、多分大地は気付かないだろう。
曇る息から顔を逸らして、ベランダのある部屋を見つめた。
花が咲けば、君はあの窓から声をかけてきて、ぶっきらぼうに一言二言こたえてやって。
ボールを投げてくるからキャッチする。
僕は今日こそ一発打ってやると豪語して、そして肩を落としてまたこの部屋に戻ってくるんだ。
雪が頭にしがみついてきた。
過剰に振り払う。
乱暴に音を立てて階段をあがり、ベランダのある部屋に入った。
そこにいるのはお寝坊さん。
僕は買ってきた花をガラス瓶に咲かせた。
嬉しそうな顔をした君は、凍ったまま。
花が咲いた。
犬が嬉しそうに仲間割れをしていた。
川の向こうの桜の下では、どこかの誰かが幸せそうに言葉ではない何かを喚いている。
最近覚えた煙草の煙を、届かないのに彼らに吹きかけた。
やっぱり届かない煙は、なんとなく空に消えていった。
手の平を見つめる、治らない火傷、治らない日常、治らない。
隆起、桜がビルを超えて、グンと街の空にそびえ立つ想像。
くだらない、どうせもう煙草を吸うことしかできやしない。
真っ白い月が見えていた。
ほがらかに空に霞む。
細く煙を吹きかける。
嫌な顔をしないだろうか、してくれないだろう、してくれなかった。
月は消えそうな微笑みを、消えた。闇がくる。あっという間に。
桜は不自然に輝き、誘引の微香、なおも轟くヘドロの声。
いつまでいるんだろうか、煙草はとうにつきていた。
二歩三歩、ゆっくりと離れ、振り返ればビルの隙間から赤い月。
血を流しているのかい?
したたる鮮血、空からサラリと落ちてきて桜を染めているようだった。
いいや、僕が見つめるから照れているのさ。
月も、桜も。
闇よ、ビルよ、どうして君たちは照れてはくれないのだろう。
僕に興味がない?いいや、僕なんて、違う世界のモノなんだから。
だから見えていないんだ。
感じていないんだ、僕の視線は。
ズレてしまった世界は、もう重ならない。
月も、桜も、僕のことなんて知らない。
かえらない時間、かえらない世界。
僕の時間、僕の世界、僕の、部屋。
ガラス瓶がしおれた花を見せ付けて泣きついてくる。
偽者が偽者を笑う。
くだらない関係、いつまで続けているんだろう。
また偽者が必要になるまでさ。
赤い月が覗いている。
見つめたってくだらない、暇をもてあそんだ月の、一瞬の流し目。
それでも憎たらしくて、カーテンを閉めた。
暗くなった部屋の真ん中に、春がいた。
春は、くらやみの向こうから僕の心を凍てつかせる。
いつまでそっちにいるんだろう、たしかな肌のぬくもりはココにあるのに。
僕の願ったのは、君のほほえみ。
蝉がうるさい。
僕は目覚めない。
光がうるさい。
僕は目覚めない。
ゆらゆらと揺れる大気、部屋にまで浸食してきてうるさい。
僕は目覚めない。
アスファルトの皮を景気よく削る音がうるさい。
僕は目覚めない。
大地はそんなこと気にもせず、今日も形を変える。
君も目覚めない。
>>32-37
文学風神星アース パラレルエピローグ
参考本編リンク:ttp://www39.atwiki.jp/dhionn/
神星アースですべての戦いが終わったあとの話を書いたつもりです。
多分本編はもっとハッピーエンドです。
本編そんなしっかり読んでないから適当に書きました。
秋の章なんか本編読んでないときに書いてました。
小説とか普段全然読まないから文学風と言っても偏見です。
でも読み返すとやっぱりポエムですね。僕ポエムしか書けないみたいだ。
読んでいただけたら幸いです。 エッセイっぽい言われたからエッセイっぽいの書いてみる。
息抜き程度に、気軽にうだうだと 俺は朝起きて、ゴソゴソとパンをまさぐる。
すぐ横にあるはずだ。レーズンパン、袋らしきものが手にあたり、ひとつ取る。
パンが口の中にまとわりつく。嫌な朝、毎朝毎朝、いつもいつも。レーズンパンの嫌な食後感が俺を苛める。
猫が笑っていた。窓辺から逆行で俺をにらんでいる。
葉がさわさわと猫をなでる。
ついに目覚めた俺は、起き上がった俺は、なんとなく顔を洗う。
少しサッパリしてスーツを着た。
パリッと、ピシっとではなく、なんとなく着た。
このままなんとなく寝癖をととのえて、なんとなく家を出て、なんとなく駅につく。
なんとなくお伊勢さんに着いても良さそうだが、俺は決して地元の駅以外には着かない。
俺には行くべきところがあるからだ。
しかし俺は行きたくなかった。
行きたくないのに行くべきところがあるのだ。
ハッキリとした目的とハッキリしない目的意識。
朝の寝ぼけのせいだと、寝るまで思っている。
今日も満員電車に乗る。
ここは少し知性を見せるところだ。
俺はドアの閉まる瞬間を狙うのだ。
ドアに寄りかかって満員電車をやり過ごすために。
誰よりも遅く入り、誰よりも早く脱出する。
誰もがそう思えば叶わない。
俺だけが、誰よりも強くそう思うから、俺は今日もドアに寄りかかることができるのだ。 なんだかんだと俺は真面目で、朝も一番に会社につくことが多い。
今日も一番についた。誰もいないのが少し嬉しい。
俺の最初の仕事は、煙草を吸うことだ。
会社の中は禁煙だから、俺は会社の入り口にある喫煙所にわざわざ出向いて煙草を吸うのだ。
一息。一服。
カラリとした空気にモワリとしたものを混ぜてやった。
目の前を、蝉の抜け殻がサカサカと駆けていった。
俺は会社を辞めてやった。
イラついていたんだ、課長の目つきに。椅子の形に。朝の猫に。小さな優越感に。
家について、スーツを脱ぎ捨てた。
床にくしゃくしゃに置いて、俺はTシャツにジーパン。すぐさま家を飛び出した。
近所のコンビニ、並ぶ缶ビール。
いつでも好きな酒が飲める、この街はいい街だ。
缶ビール2本買って、ツマミは、少し腹が空いていたから肉まんを二個買った。
コンビニを出て、すぐに走り出した。家の前にある河原、誰も立ち止まらない定番の散歩コース。
俺はそこに立ち止まってやるのさ。そしてビールを飲んで不憫な目で見られてしまいたい。
そんな自棄な気持ちをためこんだまま走った。
走って走って、そして河原につく前に力尽きた。
ぜぇぜぇと言いながら、河原にたどりつく。
少し冷静を装っているのが、嫌になった 河原に降りて、ごつごつした石をかきあつめて椅子を作る。
さっそく缶ビールをあけて、川に乾杯。
気分がよくなってきた俺は歌いだした。
歌っていたら犬が寄って来た。
ふっと、物足りなさを感じて、酔っ払いは家に戻った。
家からギターを持ち出す。しばらくぶりに見るそいつは少し拗ねていた。
脇にかついで、ぜえぜえ言ってまた河原。
全力でぜえぜえ言ってやった自分が好きだ。
チューニングなんて関係ない、俺は思うがままにかき鳴らす。
誰が聞いても下手糞な、俺のソウル。
魂をぶつけるのは川、そして犬。
観客としては立派じゃないか、暮れない夕日に俺は気分を高めていく。
急激に腹が空いて、俺はギターを置いた。
肉まんをほおばる。
犬が近づいてくる。
なんだこいつ、俺の歌をきいていたんじゃなく、肉まんが欲しかったのか。
犬がマヌケな顔してウロウロしてる。
俺はギターを振り上げて叩きつけた。
割れるギター。割れる音。驚く犬。イラつくそれがギリギリと響いた。
割れたギターの真ん中に、もう一個の肉まんを放り捨てた。
マヌケな顔した犬は、おどおどときょろきょろとしていたが、やがてゆっくりと逃げていった。
浮ついた蚊がビールに飛び込んだ。俺は缶ごと川に投げ捨てた。 ある日、俺は商店街からの帰り道。
夕暮れ時で、棒みたいなものや塵みたいなものや、なんだかよくわからないものが空を好き勝手にしてるとき。
なんにも考えてない俺は、適当に色々とつぶやいてた。
「あっけんほー」
ふいに出た謎の言葉が気に入った。
「あっけんほー、あっけんほー」
何度も繰り返して遊んでいた。
「あっけんほー」
いつのまにか後ろからついてきていた子供が同じ言葉を発した。
振り返ってしまうと、誰だか知らない、いつのまにかの子供と目があった。
止まる夕暮れ。
「あっけんほー!」
いつのまにかの子供は元気よく叫んだ。
「あっけんほー」
俺が、戸惑いながらつぶやいたら、すごく嬉しそうな顔をする。
「あっけんほー、あっけんほー。ぐーるぐる」
いつのまにかの子供は腕をぐるぐるまわしながら言った。
そのまま、あっけんほーとぐるぐるをくりかえしながら俺の横を通り過ぎて、遠くへと走り去った。
俺は何か動けないでいたので、じぃっとその方向を見ていた。
トンボが俺の肩に止まって、またすぐに飛んでいった。 >>41-46
タイトル:夕暮れと虫
日常と虫に人生ってものを投影してみた。
ネタは誕生と転機と巣立ち
これ系はネタはいくらでもあるしまだまだ書けると思うけど、なんか手が疲れたし文が面白くならないから以上。 ( ´_ゝ`)お伊勢さんにいくとこがよかったです
( ´_ゝ`)カラリとモワリもよかったです
読みやすいよね
マンボウ航海記みたいの書くのに漁船に乗るといいとおも ( ゚Д゚)y─┛~~ <…
(;゚Д゚)そ <自走する蝉の脱け殻?! 暗闇と妄想にも飽きた頃、僕はやっとのことで眼を開いた。
「なんだ、まだ夜か」
プカリと漂う満月が、呟いた僕にいやらしい視線をこちらに向けた。
視線はかわいた空をつきぬけて、僕の内臓を突き刺し、えぐる。
ぐるりと捻転を覚え、僕は体も目覚めたところ。 パイプの音が何か不快な午前2時
これからが活動時間の僕は、まずは顔を洗う。
冷たい水がキュッと表皮を引き締め、一緒に心も引き締められたらいいのに、
と何か他人まかせな想いだけ覗かせながら、流れ作業で着替えを済ました。
あれや、いつのまにかすべてが整っている。
なんとなしに、記憶にも残らず、いつも終わっているのだ。
いつもこの調子。
色気のないスーツをまとい、色気のない鞄を持った僕は部屋を出る。
ロックはかけない、いらないから。どうせ保険ですべて救われる。
失って困るものなんて、金銭だけだから、僕はめんどくさがりな性格を尊重する。
細くて長くて寒い通路の端に、エレベーターがある。
ここは38階、ここから勤務先の12階へ降りるだけ。
ここのところ外へと出ていない。
夜に出ても大した楽しみもないし、出る必要もないから、やはり性格を尊重し、僕はこのビルから出ないのだ。 12階につくと、すでに勤務中の同僚がうじゃらほじゃらといらっしゃった。
おはようございます、なんてこんな夜中に何の不自然もなく使う世の中が嫌いだ。
それでも僕はおはようございますと言う。何故ならそれが世の中だからだ。
僕の仕事はというと、研究員である。
何の研究員かというと、スペースシャトルというやつの研究員である。
スペースシャトルとは何かというと、宇宙船である。地球号ではない。
民間での宇宙旅行計画が世に馴染み、より安全で、気軽に宇宙旅行ができるような機体のための研究だ。
宇宙旅行なんて、大したことはなく、たんに宇宙空間をちょこりと飛行して、また地球に舞い戻る。
それだけのことなのに、宇宙旅行って、考え出すと笑いが止まらなくなるので、僕はいつも無心である。
民間宇宙旅行が始まってからもうだいぶたつというのに、技術の進歩は遅い。
細かいところでは、かなりの進歩を見せているのだが、実用化で何度もくじけている。
それもこれもNASAの度重なる実験失敗のせいである。
我々の間では地に落ちた名だが、NASAブランドはいまだ強く
「宇宙旅行?無理でしょ、NASAでもよく落ちるじゃん?」
との言われよう。
腹立たしい。そもそもNASAに優秀な人材なんてこれっぽっちも残っちゃいないのに。
そんなことを説明しようにも、自分がきもちわるいなと思い、いつも思いとどまる次第、ミゼラブル。
いつかはわかってくれると、何の根拠もない希望に寄り添いながら、僕らは今日も働くのだ。 いつもどおりに机に荷物を置き、僕はまたエレベーターに乗った。
3階へのボタンを押す。
3階には売店やら何やらSHOP的なものがたくさんあって、
そこの一つの売店がお気に入りなのである。
売店はあやしいヤクザ風の気さくというか悪く言うとうっとうしい親父がやっていて、
そこには小さいが食事スペースがあって、親父お手製の料理をいただくことができる。
朝食、昼食、夕食、と、割とこの売店で済ましている。
格段うまいわけではないが、そこそこの値段でそこそこの栄養バランスをごちそうさまできるので、なんとなしに通っている。
3階で降り、売店に行くと、親父がいつものように待ち構えていなかった。
かわりに20代前半くらいの若い娘がレジの前で退屈そうにしている。
バイトの子だろうか?
この時間帯はいつも親父がいたので、親父が一人でまわしているのかと思っていたが、そもそも24時間親父一人なわけがない。
たまたま僕の行く時間帯が親父の生息時間とかぶっていただけだろう。
今日はまたたまたま親父の生息時間とズレたのだ。
それはまったくどうでもよかったのだが、問題は料理である。あるのだろうか?
「あるのですか?」
変な質問をしてしまった。
娘はポカーンとこちらを見つめている。
「何が、でしょうか?」
当然の答えだ。
すぐに返事をしてやればよかったのに、何故か黙ってしまった。
アドリブに弱い。
こういうときは、本当に生きているのが嫌になる。
「あ、あー、朝食をいただこうと思って、その」
「あぁ!食事ですね!ありますよありますよ。ただ今日店長がいないんで、私が作ることになりますけど…」
自分のつまりどもろな答えとは逆にハキハキシャキシャキとした歯ごたえのある返答に余計にいたたまれなくなった。
しかし胃が寂しそうな表情で喉をなぞってくるものだから、お願いしますと言って席についた。
あの子はどうしてあんな怪しい親父の下で働いているのだろう、などと余計なことを考えていたらはやくも軽食がやってきた。
パンにジャムに、サラダにゆで卵、いつもどおりだ。
そして親父特性おかずが今日は店長代行特性おかずである。
スクランブルエッグ、まあ、妥当か、ほうれん草が入っている。
いただきますをして、おかずをいただいてみた。
ほうれん草の塩加減がちょうどよく、幸せな気持ちになれた。
これならお米が良かったなぁ、などとぼんやり思いつつパンをかじりかじって食事を終えた。
満腹の僕は食休みにあの娘の観察をはじめた。
さらさらロングの髪が美しい、少し髪の色を抜いているのか、茶色気味である。
髪をかきわけ、ひょっこり飛び出る少し大きめの耳がかわいらしい。
体は、細身で、いつもそこにいるはずの親父の体格がいいからか、余計に細く見えた。
しかし細いな、あれでは歩いただけで折れるんじゃないだろうか、と思わせるほどに細い。
綺麗な女性である。
これはなかなか良い看板娘を手に入れたな、と、心の中で親父を少し褒め称えてやった。
満腹感が軽減された僕は仕事に戻らねばならない。
ひどく重い肩を無理矢理持ち上げ、カードをレジに通して会計をすませた。
最後にごちそうさまと小さくつぶやくと「ありがとうございます!」と笑顔でゲンキにかえされた。
親父直伝だろうか、元気に軽くビックリして、また「あ、あぁ」なんてどもってしまった。
ずっとニコニコしながらこっちを見つめている看板娘の視線が怖い。
死にたくなりながらも、それを忘れるために僕はエレベーターに乗り、12階のボタンを押した。 しばしの間、売店の親父はどこか遠くへ出かけていて、あの子が店番をしているようだった。
昼の間は別の人がずっといるらしく、あの子は店長がいない間だけのお手伝いだそうだ。
僕は何となくあの子がお気に入りになって、早起きして出勤前に売店に寄るようになった。
朝食をいただき、のんびりとあの子を見て、それから仕事だ。
寝起きから良い気持ちになって、一日が始められる。
太陽は見えないけれど、恒星爆発のような、そんな爽快感が日々に感じられた。
今朝も明るい月にたたき起こされて、僕はウキウキと支度をする。
ここのところ、鏡の前にいる時間が増えた。
恋愛感情なんて、そんなものはとうに忘れてしまったけれど、多分あの子に対する気持ちはそれとは違うんじゃないかな、
綺麗な花のようなもので、子供の頃、乾いた冬空の下で見た椿のような、すっきりとした愛でる気持ちに近いんじゃないかと。 南無、ついにやってきた、テスト飛行。
宇宙船に人を乗せて宇宙に飛ばす、その際に起きるであろう色々なことを色々な手段でお試しするのだ。
その実験に何故か技術者の我々も付き合わなければならない。
いや、もちろん、実験によるデータの検証等は当たり前に付き合わなければならない事項であろうと思うが、
しかし我々は何故宇宙船になんて乗らなければならないのだ。
何人かはウキウキしている。
ただで宇宙へいける、と。
しかし宇宙に行く際にトレーニングは不要になったとは言え、身体検査はいまだ必要である。
飛行機に乗るのは違うのだ。
そんなお手軽感はまだまだのお話である、人間の肉体は宇宙に適当進化などしていないし、
いまだ宇宙は危険いっぱい雨あられデブリもあるよ!なのである。
非常に面倒だ。
僕の性格から言って、これは非常に嫌なことであることは明確である。
愚痴をこぼしに、僕は仕事終わりに売店へ向かった。
夕食をとりながら、他に客もいないので看板娘に愚痴をこぼす。
「仕事で来月に宇宙に行かなければいけなくて」
情報の保持なんて糞くらえである。
このとき僕の怒りは結構な部位まで達していたのだ。
しかし看板娘は「すごーい」などとのたまうのだ。
何がすごいものか、ただの人体実験、危険な宇宙飛行に技術屋を乗せるなんてどうかしてる。
と思っていたものの、理解不能な感情で、その文体によってだけの視点ではどうにも怒りを増幅させるだけのような言葉に、
僕の心は椿の花びらに融和していくのだった。
そんな自分に気付き、一笑した。
「出発の前に電話してもいいかな、やっぱり少し怖いから、緊張をほぐすために」
優しくいえたものだ、彼女はいつもどおりニコリと微笑み、そして僕らは電話番号を交換した。 テスト飛行が決まっても我々の仕事は続くのである。
毎日毎日、また38階と12階と3階を行き来する。
売店での食事が唯一の楽しみで、なんて寂しいかもしれないけれど、今までの僕にはそれすらなかったのだから、
僕の人生って今はとても充実してるんじゃないかと思う。
電話番号を交換したものの、一度も電話はしていないし、かかってもこない。
まあそんなものかと、寝る前に携帯のメモリを見ながら物思いにふけるのも楽しかった。
くるくるふわふわと回転する月が、また満月をのぞかせ、そしてかけはじめた頃、ついにテスト飛行の日がやってきた。 当日、僕らはその他の実験参加者とともに宇宙船に乗り込む。
僕らは、まぁほぼ乗っているだけで、あとは乱暴な客のように出発後に歩き回ったりするなど日常的なことのテストがあるくらいだった。
ここにきて僕も少し楽しくなってくる。
宇宙へ行ったことはない。
宇宙から地球を眺めるのは映像でしか見たことがない。
それを自分の目で見ることができるのだ、これが楽しみにならないわけがない。
宇宙船は細長い、すべての座席から外が見えるように、一列に4席の構造になっているからだ。
微興奮状態の同僚たちがまわりにいる、おそらく自分も同じであろう、ゾロリと席についた。
僕は左から二番目、右の窓はもちろん、左の窓からも微妙な距離、どうせなら端が良かった。
少し気持ちが落ち込みながら、飛行機のものより少し大げさなシートベルトを装着する。
ここで気付いてしまった。
電話をするのを忘れた。
あー、やってしまった、とさっきよりだいぶ気持ちが落ち込んだ。
どうした?と隣の奴に心配される。
あぁ、なんでもないよ、と気持ちの悪いあいそ笑いをして、無理矢理気持ちを浮上させる。
すんでしまったことだし、こんなことでどうにかお怒りになるような子ではないし。
一つ大きめのため息をついて、僕は出発を待った。 そういう作りのはずである。
「急上昇します」
と一応アナウンスが流れた。
旅客機では無いのだから、ただいまより急上昇いたしますのでうんたらかんたらなどといった親切丁寧な注意は無い。
いよいよかと、僕もみんなも身構えた。
ぐんっと体に負荷を感じる、宇宙に飛び出す航路へ入ったようだ。
結構な負荷だが、この貧弱な体でも耐えられなくは無い。
高度計がモニターされているのを見ながら、自分がどんどん地表から離れているのを頭の中でイメージしていた。
高度が80Kmに達した頃
「まもなく宇宙です」
というあやふやなアナウンスが流れた。
と、外を見てみると、いつのまにか宇宙であった。
機内が騒がしくなる、ほとんどが宇宙初体験である。
皆、宇宙からの眺めに冷静でいられないようだった。
自分もそうであったが、僕の場合は、絶句といったものであった。
すばらしい光景に、ゴクリと唾を飲むことしかできない。
そのとき突然携帯が鳴った。
ビックリしながらもいつものように流れ作業で携帯をとってしまった。
「もしもし」 『あ、今日ですよね、出発。電話ないからかけちゃいました!』
看板娘だった。
『もう出発してる。今宇宙』
自分の台詞の面白さに一人微笑している僕に、同僚の視線が集まる。
「あれ?携帯のテスト?そんなんあったっけ?」
たしかに携帯のテストはある、宇宙空間でも携帯が使用可能であり、またそれによる機器への影響を調べるためだ。
しかし我々のチームの仕事ではないし、こんなプライベートな使用ではなく、地上にかける側のテストチームが用意されていてそこから電話がかかってくる。
責任者もこちらを見てボーっとしてるし、まぁいいのだろう。
『ごめんなさい!なんか、すみません、え?じゃあ今宇宙なんですか?なんで?』
『なんでって、あぁ、携帯か、通じるんだよ、最近の宇宙じゃ』
『へぇ〜〜!!!すごいですね!あ、緊張しませんでした?大丈夫でした?』
『緊張しすぎて電話忘れちゃったよ、ごめん』
『いいですよ別に』
うだうだと会話を続ける僕。
もはや外の景色なんて脳に行っていない。
この面白い状況をすっかり楽しんでいた。
同僚はそんな僕を無視して、そろぞれ勝手に動き回るテストを開始していた。
僕もそんな同僚達を無視して、勝手に電話を続けていた。
「帰還します」
あっという間に時間が過ぎていたようだ。
宇宙から地上に戻る様子、他の試験チームも何やらすべて終えたようで、僕はというとプライベートに時間をさいて何もしていない。
これは後で怒られるな、と思いつつ
『もう戻るらしい。明日行ったときに報告するよ。』
『はい、楽しみにしてます!』
と最後の言葉を交わし、電話を切った。
さよなら宇宙、ほとんど見れなかったけれど、楽しいところだったよ。
僕は真っ暗な世界に手をふって、そして地球にただいまをした。 >>50-62
小説の練習のために、この前見た夢を題材にして書いてみた。
タイトルは「宇宙旅行」で。適当。
描写、とくに人物の姿かたちや動作を書こうと思って書き始めたのに、また忘れた。
全然駄目だなぁ、小説難しいなぁ
と思った。
夢では宇宙船から帰ってきてから売店にいくと女の子がいなくて店長がいて、あーあガッカリどうしたの看板娘畜生
な展開で眼が覚めたんだけど、意味がわからないしオチのつけようもないし飽きたし、でやめた。うん、疲れた。病み上がりだし。 以上、たまに突然書き出す馬頭琴でした。
しかしこのスレ孤独感がすごいですね、ディオンじゃないけど感想ください。駄作だと認識はしてますけど感想ください。 淡々とした描写はボクの好み。
もっと語りたいことあるんじゃないかって感じた。
ちとストイックに徹しすぎた?
どっか一箇所突き抜けてもいいかも。感情的に。 先を急ぎすぎたかも。今度は時間かけてのんびり書くわ。 電車のベルが鳴り響く。
混雑した車内で、天井部分に意識を集中させる。
「この電車は、京浜東北線快速大宮ゆきです〜」
僕は社内放送に恋をした。 毎朝の、苦しい車内。
ウォークマンで耳を塞ぎ、目をつぶり、密接した空間で、何とか自らを隔離させようと、ジッと押し黙って立っている。
ふと、曲と曲との切れ目で、耳に届いたアナウンス。
「グリーン券を車内でお買い求めの場合、駅での発売額と異なりますので、ご了承ください」
鳥肌がたった。
普段、何気なく聞いていた声、落ち着いた女性の声で、淡々と放送されるものの中、僕は気付いてしまった。
「ご了承ください」の一言だけ、ひどく鋭く、恐ろしい雰囲気を放っているのを。
安心の声が、何故かそこだけ、命をとるかのような脅迫めいた声だった。
それに気付いて以降、僕は耳を開いた。
車内放送に耳をかたむけ、その「ご了承ください」の一言をきくたびに、不思議な快感を得ていた。
毎朝に、ほんの少しの刺激。
熱中できるものも、人もいない僕には、とても新鮮な時間だった。 仕事の無い日、家にいた。
インターネットで車内放送のCDがあることを知った僕は、すぐにCD屋に出かけたのだが、
そんなレアなCDなど置いておらず、お取り寄せになった。
到着予定は金曜日。
あの放送が、いつでも、聴ける。
随分と幸せな気持ちになった。 待ち遠しい一週間が過ぎ、待ちわびたお届け日がやってきた。
そんな日に限って残業が長引く。
イライラしながらも、驚異的な集中力で、仕事を片付けた。
自分に驚いた。
こんなこともできるんだな、と、それは小さな呟きだったが、そんなことよりも僕はCD屋の閉店が気になって仕方が無かった。
ギリギリの時間だったが、何とか間に合い、僕は念願のCDを手に入れた。
幸せの週末で胸をいっぱいにして帰路につく。 ただいま。
誰もいない部屋、今日だけは輝いているコンポ。
さっそくかけてみる。
部屋に車内放送が流れた。
不思議な感じだ。
僕は待ちきれずに、さっそく一番好きなフレーズを長そうと、ドンドンとアナウンスを飛ばしていった。
「グリーン車は4号車と5号車です。グリーン車をご利用の際にはグリーン券が必要です。」
「グリーン券を車内でお買い求めの場合、駅での発売額と異なりますので〜」
「ご了承ください。」
違う。
何かが違うのだ。
「ご了承ください。」
やはり、違う。
部屋だからだろうか。
確かに、あの声色、特徴、すべて同じ。
当たり前だが、同じ音が流れているのだ。
けれどもそこに快感がない。
僕の脳を刺激する、不思議な空気が僕を満たしてくれないのだ。
哀しくなって、僕はCDを捨てた。 結局、列車に帰ってきた。
車内の空気、そこを伝わる声でないと、僕は感じないのだ。
毎朝の声に浮かれ、車掌の喋りが入ればイラつき、電車が目的地につけば落胆する。
そんな日々をまた繰り返すのだ。 週末に、山の手線へ出かけた。
今日は一日中回っていようと、ピクニックへ行くような気分で、ウキウキと僕は出かけていった。
一日ずっときいていたら飽きてしまうんじゃないだろうか、なんて心配をしたりしてみたが、まったくの無駄なことだった。
朝も早くから出かけ、もう夕日が差し込んでいるというのに、足りないくらいで
夕日の赤が少し寂しさを引っ張り出してきて鬱陶しかった。 夜になり、遊び帰りの若者や、酔っ払いなどが増え始める。
騒がしくなってきて、放送がききづらくなった。
僕は座れるのにスピーカーの近くに立って、僕は僕なりに酔っていた。
この声のすべてが愛しい。 突如、怒鳴り声が愛をかき消した。
すぐ隣で酔っ払いが、気の弱そうな若者に絡んでいる。
すぐに、済むだろう。
僕は酔っ払いの大声だけでなく、緊張と苛立ちで愛しい声がききづらくなっている状況に嫌悪した。
かすれ、とびとびできこえてくる。
その間、何を言っているかなんて、とっくに覚えてしまっているけれど、
そうじゃなく、僕は音を脳に響かせたいんだ。あの人の声を。 うるさいな。
本当に、うるさい。
右手にもったアーミーナイフで、強く口をつぶしてやった。
男は黙った。
あぁ、静かに、と思ったら、すぐに別の声が大きく響く。
その声を、一つ、一つ、潰していく。
いつしか、やっと、静かになった車内に、アナウンスが流れる。
「この先、電車が揺れますので、ご注意ください。お立ちのお客様は、つり革や、手すりにおつかまりください。」
僕は、ぬるりとべとつく手で、つり革につかまった。 >>72-83
「車内放送」
失敗作。1時間で書ける内容じゃなかった。
先を急ぎすぎてスカスカ。ひどい有様。
一回ざっと書いて(>>72-83の状態)、これに肉付けしていって、そんで発表にすりゃよかったね。
書き込みながら書いてくってやり方はやめた方がいいと思った。今回の反省。以上 【反省点まとめ】
・恋不足。あれじゃ足りない伝わらないかるびぃぃいいい。
・アーミーナイフの伏線忘れ。オタクキャラをもっとかかないと駄目。
・クライマックスの描写不足。あれじゃポエム。もっと惨劇を描写すべき。
・「だった」の多用。しつこい。 部屋に男と女が2人。
まんなかにはコタツ机。
二人はテレビをぼけっと見ている。
茶筒アップ。
すぽん
茶を急須に入れる。
急須にお湯を入れる。ちょっとひたす。
二つの湯のみにお茶を入れる。
女「はい」
男「おう」
女は男に茶を渡して席につく。
間(女は茶を飲んだり、茶筒をすぽすぽ鳴らしたり)
『雑談シーン。アドリブでどうぞ』
女「あ、お茶ないね。入れるよ」
男「あ、あぁ、・・・ありがとう」
女はお茶を入れる。
男にお茶を渡す。
女「はい」
男「ん」
間(女は茶を飲んだり、茶筒をすぽすぽ鳴らしたり)
男「さっき、お前、俺の話聞いてた?」
女「聞いてたよー」
男「何の話してた?」
女「えーっとねー。の事。」
男「ん・・・うん」
間(女は茶を飲んだり、茶筒をすぽすぽ鳴らしたり) 『雑談シーン。アドリブでどうぞ』
女「あ、お茶ないね。入れるよ」
男「あ、あぁ・・・」
女は茶を入れる。
男に茶を渡す。
間(女は茶を飲んだり、茶筒をすぽすぽ鳴らしたり)
男はテレビを見ている。
お茶はもらった状態のまま机においてある。
しばらくして女は男の方をみる。
女「お茶飲まないの?」
男「うん。今はいい。」
ちょっとした間
女「冷めちゃうよ?」
男「うん。・・・でも今は・・・」
女「お茶は熱いうちに飲めって言うでしょ!さ、はやく飲もーよ」(女軽くヒートアップ)
男「なんなんだよお前は!」(キレる)
女はややおどろく
男「お前なんなんだよ!人にやたら茶をすすめてさ・・・そんな飲めねーよ!
お前なんでそんなに飲めんだよ!腹タプタプんなっちまうよ!
だいたいその諺、茶じゃなくて鉄だろうが!"鉄は熱いうちに打て"だろ!。"飲め!"でもないし!」
女は軽くうつむく。ちょっといじける。
女「でも、お茶冷めるとおいしくないもん・・・。」
女はがっと男を見上げて
女「アツアツがおいしいんだよ?!」
男「うるせーよ!俺は猫舌なんだよ!知ってんだろーが!俺には俺のペースがあんだよ!
飲みたくなったら飲むからゆっくり飲ませろよ!だいたいお前、茶にこだわりすぎなんだよ!
なんなんだよ!お茶ヲタクかよ!うまいのはわかったから人におしつけんなよ!うぜーよ!」 無言。男は息が荒い(ハァハァ)
女は下をうつむいている。
間(しばらくたってから女は茶筒をスポスポ鳴らす)
男「その茶筒いっつもうるせーんだよ!(このへんで女は男の方を向く)なにスポスポならしてんだよ!」
女「いい音じゃん!」
男「よくねーよ!耳障りなんだよ!気になんだよ!!」
無言
男はあきらかにいらついている。
女はうつむいて茶筒を適当にかかえている。
間(スポスポは無し) 男落ち着いてからおっきくため息。
男「・・・帰る・・・」
女「え?」
男立って部屋を出て行く。
女は目で見送る。
ちょっと間
女落ち込む。
お茶を飲み干す。
湯のみをぼーっと見つめる。
女「ぬるいなぁ・・・」
ちょっとぼーっとしてから立ち上がり、のろのろとコンロへ行く。
女はヤカンで湯をわかす。
席について沸くのを待つ。
湯がわく。
女はちょっと急いでコンロに行き、ガスを止める。
ちょっとヤカンを見つめる。
そのお湯で茶を入れる。
席につく。
アツアツの茶を口に近づけて息を吹きかけてから飲む。
ちょちょちょっと飲んで、あんまりおいしくなさそーな顔をする。(がっかりな顔で湯のみを見つめる)
小さくため息をつく。
お茶を飲もうとして湯のみを口に近づけるが寸前でストップ。
結局飲まないで机に湯のみを置く。
茶筒を持って、少し茶筒を見つめて、スポスポ鳴らしだす。
ため息。
「ピンポーン!」
女「あ、はい」
女は茶筒を鳴らすのをやめる。
女は入り口の方を見る。
ちょっと間があって、さて入り口行きましょうか的にちょっと立ち上がろうとする。
そのとき男が部屋に入ってくる。男は右手に袋を持っている。
女「あっ。。。」
女は立ち上がるのをやめて元通り座り、男の方を見る。
男「ゴメン、言い過ぎた」
男はちょっと女の顔は見れないぜっ。て感じなのです。
女「・・・うん。私も・・・ゴメン・・・」(やや笑顔、微笑むくらい)
男「ほら、これ。。。そこの和菓子屋で買ってきた。。。やっぱお茶には甘いもんだろ?」
女、ぱぁぁぁっと笑顔。
男も笑顔。(よかったー的な)
女「ありがとう♪…でも、私甘いものダメなの」
男「お前なんなんだよ」 >>87-93
「茶筒」
こんな良い加減な台本で映画とってました。
台本式は、楽でいいね・・・。 「うわぁ!なんだい君は。僕のこの十二畳の部屋にズカズカと入ってこないでくれよ。
さぁ、出ていってくれ。ここは僕の、僕だけの十二畳の」
突然入ってきた女が動揺した男がつらつらと吐いていた言葉をさえぎる。
「聞いて!」
女は神妙な面持ちで強く男に言い放った。
一瞬、二人の間の時が止まった。
男は自分の膝に視線をやり、自分をゆっくりと戻す。 「なんだい、聞かないよ。僕はこの十二畳の畳以外に興味はないんだ。
いや、この十二畳の畳にだってそんなに興味はないんだ。
ただ、僕のこの十二畳の部屋に、
誰か、僕ではない人に踏み込まれるのだけはどうしても駄目なんだ。
意志でもわかっていることだよ、僕は、この畳に人の足跡が残るのが嫌なんだ。
体だって拒絶してる。こんなに嫌な気分はないよ、わかるかい?
僕は、今までこうやってこの部屋を守ってきたんだ。
君だって例外じゃない、さぁ、その畳に足を沈ませないでくれ、
すぐに出ていってくれ、この部屋は僕のものだ。」
女は片方の眉を少しねじりあげ、なきそうな顔で男を見つめている。
「嫌よ。私は十二畳の部屋なんてどうでもいいの、
私はその中にいるアナタが必要なのよ、
アナタを求めて、こうして足も重くなる畳の上で、
私はアナタをじっと見つめているの。
この視線にアナタは気付かないの?
気付かないでしょうね、気付いてもあなたは無視しようとするわ、
アナタにはこの十二畳の部屋と自分しか見えていないもの。」 畳に触れる足に力がこもった。
女の目はこぼれそうなほどの雫で満たされていた。
「そんなことはない。
僕はこの十二の畳を手に入れるのに、どれだけ人と関わりあったか。
僕は、努力して、僕の汗で、僕のこの十二の畳を手に入れたんだ。
だから、君には僕を見ていてもらいたくもないし、
僕の畳に触れるなんて、もっとやめてほしい。」
最後だけ強く言った男は、さぁ、これでもういいだろう、出ていってくれ、というように女に背をむけて座り込む。
背中にかかる強い視線に、男は息をするのを忘れるほど意識を奪われていた。
「見つめることも許されないの?
アナタを見つめる女は私だけじゃないわ。
私はアナタの前にあらわれて、アナタを見つめた。
アナタは、だから気付くことができたのでしょうけれど。
私は気付いていたわ。私以外もアナタを見つめていたことを。」
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