欧州発明家賞に飯島澄男氏(名城大終身教授)ら3氏が受賞
掲載日 2015年06月19日
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720150619eaaa.html
 ドイツに本部を置く欧州特許庁(EPO)は、2015年度の「欧州発明家賞」を、カーボンナノチューブ(CNT)の開発者である飯島澄男名城大学終身教授兼NEC特別主席研究員に加えて、
NEC時代の同じCNT開発チームの一員だった三重大学の小塩明助教、産業技術総合研究所の湯田坂雅子氏ら3人に授与した。
先週、仏パリで開かれた授賞式で表彰した。

(左から)小塩氏、飯島氏、湯田坂氏(欧州特許庁提供)
 飯島氏はCNTの製造方法の発明者。小塩氏と湯田坂氏は、飯島氏の下で人体に有害とされる金属媒体を使わない製造法を研究した。
炭素棒を高温のプラズマで蒸発させる手法「プラズマメソッド」の開発により、高純度の多層CNTが生成できるようになった。
 欧州特許庁のベルノー・バティステリ長官は、「3人のおかげで、宇宙エレベーターや、ナノ粒子を使った病変部位のピンポイント治療など、未来志向のアイデアが将来実現するだろう」と授賞式で述べた。
CNTは商用化が進んでおり、全世界での売り上げは16年には9億1300万ユーロ(約1263億5000万円)に達する見込み。
 同賞は06年創設。技術的、社会的、経済的に貢献した優れた発明に対してEPOが毎年贈っている。14年は2次元コードの「QRコード」を開発したデンソーウェーブの原昌宏氏らが受賞した。