音無は無言で泣きそうな顔のまま
首を縦に降った。

手紙だと知ると読んでる間だけでも一緒にいてくれないかと言われた。
正直後ろめたかった。音無は弟が死んでも愛してる彼女だ。
二人でいることは出来ないと断ったが震えていた。音無は涙を必死に堪えてるように見えた。
下心なんてないお互いにだ。
音無は公園のベンチに場所を移して黙々と1枚1枚読んで行った。

だが俺はこの時の1枚手紙を隠してた。
さっき上に書いたやつだ。
俺が邪魔したせいで思い出がひとつ減ったと知ると怒るかもしれない。
取り返しのつかないことを責められるかもしれない。怖かった。

>>63
俺の童貞力が高すぎた。

家に帰ってから俺はふと弟の部屋に入ってみた手紙を引き出しに戻そうとして
引き出しを開けたら段を間違えてた。ひとつ上を開けてしまったみたいだ。そこにはシャーペンと紙が入ってた、文章が書いてある。
読んでみて泣いた。手紙にはこう書いてあった

さっき兄貴のことを書いたけど
本当に悪い人じゃなくて
俺が文字が読めないから聞きに行ったらちゃんと教えてくれるし
音無さんも知ってると思うけど
友達の前だと凄い面白いし
すごくうざいけど本当にしちゃダメなことはしない人です。
言いづらいけど妊娠のことが問題になった時
兄貴にその事を言ったら顔を沢山殴られました。
兄貴はクラスメイトの音無さんをすごく大切にしてることがわかりました。
だからもし、兄貴に腹が立っても俺の顔に免じて許してあげましょう(笑)
それと今度

ここで手紙は終わってた

やめろ。違う。俺が殴ったのはそんな立派な理由じゃない。
性の悦びを知りやがって許さんぞって殴ったんだ。
涙は止まらない。

自分が許せなくて謝った。誰に向かってでもない。ひたすらに謝り続けた。俺が隠した手紙は弟の恨み言じゃなかった。最後の1枚で俺の事を書いてた。
俺は自分が許せない。
障害を持ってでも幸せに生きてた時間をを奪った俺が許されていいはずがない。
だから忘れないように、俺の事を許さないようにこのスレを立てました。
弟の事を知ってくれてる人が増えるように。
俺がド畜生でドクズであることを知ってる人が増えるように。