故妻の日記にも書いて有ったが、私への贖罪と良心の呵責だったに違いない。その後に間上役との関係を終わらせ会社を退職、家で翻訳の仕事をしながら家計を助けて三人の子供を出産した。
曲がりなりにも三人の子供達は真っ直ぐ育っている。それは間違いなく妻の功績だ。
第四子が流産した時の故妻の半狂乱は罪の意識がそうさせたのだろう。
今更間上役に慰謝料云々を求める気はない。だけど長女の実父としての最低限の責任は果たして欲しいと思う。
故妻がDNA鑑定書を遺していたのは間上役への不信感だ。故妻は長女が生まれた直後に別れ話を間上役に持ち掛けたが、都合の良い女を失いたくない間上役はそれを拒否。
その直後に間上役の髪の毛や唾液を採取しDNA鑑定を行い、そのDNA鑑定結果を間上役に突き付け別れ話を拒否すれば、刺し違え覚悟で全てをばらすと間上役を脅迫。
故妻の本気を悟った間上役は故妻の脅迫に屈した。その直後に故妻は会社を退職し翻訳の仕事をしながら家庭に収まった。
家庭に収まった故妻は良妻賢母そのもので何時も笑顔を絶やさず毎日私のお弁当を作った。
残業で帰りが遅くなっても寝ないで私の帰りをテーブルで夕飯と一緒に待っていた。
私も妻の夕飯を食べようとお腹を空かして帰る様心掛けていた。
だから何だろうか不思議と故妻への怒りが沸いて来ない。ただ困惑はしている。中途半端に置いてきぼりにされたからだろうか?
多分答えは出て来ないだろう。
少し寝るとしよう。出ないと仕事に差し支えが出る。仕事に没頭すれば余計な事を考えずに済むのだから。

会社の総務部に故妻の日記とDNA鑑定書のコピーを提出をしましたよ。
案の定会社は大騒ぎになっています。
間上司からは「なぜ今頃になって過去を蒸し返す」と言われましたが、
「私に取っては過去ではなく、今現在の問題なんですよ」と言い返しました。
間上司は次の人事で専務の椅子が約束されていただけに、最悪のタイミングかもしれませんがね。
長女には自分の部屋できちんと寝る様言いましたが、余り効果はない様です。昨夜は故妻の寝間着とコロンを使っていました。家に有るコロンは私と故妻のお気に入りで、妻の誕生日に毎年買ってプレゼントしていた物です。
知人の弁護士からは長女をカウンセリングを受けさた方が言いと勧められたので、近日中に病院に連れて行く事に決めました。