ベンチには俺の木刀とパトのおもちゃ、嫁の鞄が置いてある
さらにベンチに近づくと急にパトが戦闘体勢になり唸り声を上げ吼えた
その瞬間、凄まじく嫌な予感がしてベンチにダッシュし木刀を手にした
パトは俺の側で公園の突き当たりの倉庫付近を見据え身構えている
「パトGO!」とそこに向け指をさす、刹那パトは走っていき垣根を飛び越えた
次の瞬間パトの怒声と男の叫び声が聞こえ、俺もその場にダッシュ
倉庫のタヒ角から男が飛び出してきて逃げようとしているが見えた
咄嗟に「嫁ちゃん大丈夫か!」と大声を上げたら「俺ちゃん助けて」と嫁の叫び声
駆け寄ると上着の前を切られ胸が露わになった嫁を発見、状況は最悪、嫁が泣いている
すぐさま嫁に抱きつかれ俺も抱きしめた、抱きしめながら観察すると顔を殴られた痕を確認
幸いズボンは脱げていなかった、「大丈夫?」と聞くと「うん、殴られた」と言われ
俺大激怒、男の逃げた方を見るとパトが腕に噛み付いて男を押さえていた

「戻れ」と命令しパトが戻ってきたら嫁に抱かせた。嫁の顔を必タヒで舐めている
明確な杀殳意を持ったのはこの時が初めてだと思う、よく見ると男はサバイバルナイフを握っていた
パトが離れた隙を突いて男は逃走しようと立ち上がろうとしている
近づく俺に気付き傷を抑えつつ「来るなっ!」ナイフで威嚇してきたが怖くない
物心ついた時には本物の刀が側にある状況だし、竹刀を構えた祖父の方が100万倍は怖い
稽古で真剣を振ったり巻き藁や竹を切ったりしているんだ、怖いわけが無い
男は「近寄るな杀殳すぞ!」と威嚇している、俺は「よくも嫁ちゃんを・・・杀殳してやる!」
そう言って男の半端に突き出たナイフ(狙いは手)を逆袈裟の要領で切り上げた
変な呻きを上げ男は膝を付いて手を引いた、俺を睨むように顔を上げ「このやry」
男が声を出すとほぼ同時に抜き薙(剣道で云う胴)を顎に叩き込んでやった
脳震盪を起こして本当にグシャって感じで、糸の切れた人形の様なとかの描写のとおり
男は前のめりに倒れた。この間嫁の下を離れて1分たたないぐらい数十秒だったはず
急いで嫁の所に戻り俺の着ているウェアを着せて立たせパトと帰るように言った