武彦さんは、見るからに実直で真面目そうな人だっただけに、その早すぎる死は本当に残念至極。
彼の一生は、森川と平沢という二人の「父親」に翻弄された気の毒な人生だった、としか言いようがない。

実の父である森川は、「冤罪の平沢救済に奔走する正義の人」という表の顔を見せながら、
佐伯氏が喝破したように、平沢に真実を話せなくしてしまった張本人。
そしてあろうことか、武彦さんを平沢の養子に差し出し、実子までも不幸のどん底に突き落とした。

救う会が正義の団体としてマスコミに取り上げられていた当時、森川の帝銀関連著作を読んで
感動し、彼の別の著作(武士道や死刑の実録残酷ノンフィクションもの)を読んでみて、そのあまりの
キワモノさに大きな違和感を覚えたものだが、結局森川が主導した「救う会」とは、帝銀の真相を
闇に葬る役割を担ったに過ぎなかった。

その意味では、森川と救う会は、総体としての帝銀事件の従犯者だといえる。
包装さんには、森川を巻き込んだ「偽証事件」について、知っているだけの事実を語ってもらいたい。