> あの衝撃的な事件からはや数ヶ月、もう世間の興味は失せたかのようにも見えますが、
> 一般に公開された情報は全容のほんの一部にしか過ぎません。
> これを知れば、あの異常な事件は起こるべくして起こったということがわかるはずです。
> 数年前、福岡で起きた美容師バラバラ殺人事件を覚えていますか?
> 全てはここから始まったのです。
> もっとも、その殺人に至った経緯は美容室店長をめぐる女二人の三角関係のモツレが
> 原因というありふれたものでした。
> しかし、遺体をバラバラにする過程で、
> 殺した江田という女がある知り合いの男の協力を得たという部分は
> ほとんどクローズアップされることなくこの事件も忘れ去られていました。
> この男、江田が逮捕されて自分に捜査の手が伸びることを知ると
> すぐに自殺してしまいました。
> が、マスコミはその事実を一様に伏せたままでした。
> なぜか?それは、その男が地元福岡では、ある有名な外科病院の院長の息子だった
> からです。その病院は佐田外科といい、福岡市の中心部天神に程近いところにある、
> 外科手術では技術に定評のある大病院です。
> この男自身は医者の道へは進まず、天神界隈で花屋を経営していました。
> 生きていれば今年30才でした。
> 花屋と言えば花。花といえば薔薇。薔薇といえばホモというのが連想されますが、
> 実はそのまさか、この男、ホモだったようです。
> その事実については決定的な証拠はないものの、
> 生前の彼を知る人でそのことに疑問をもつ人はいないでしょう。
> その殺人事件の原因ともなった美容室店長ともホモ関係にあったという噂も
> まことしやかに流れたものです。
> ともあれ、彼は自殺し、佐田家では密かに密葬が行なわれ、
> 周辺の住民のみがその詳細を知るにとどまっていました。
> と、ここまでは神戸の事件とは何ら接点がないように思われるでしょう。
> しかし、です。この男には上に兄と姉がいました。
> 兄は院長の志を受け継ぎ、現在副院長として病院に勤務しています。
> そして姉の方はといえば、十数年前に結婚し、その後神戸に住まいを構えていました。
> そうです、その姉こそが神戸小学生バラバラ殺人事件犯人の母親です。
> つまり、美容師バラバラ殺人事件の共犯者だった花屋経営の男と、
> 酒鬼薔薇聖人は従兄同志だった訳です。
> 母親はよく家族連れで福岡に帰省していたので、
> 酒鬼薔薇聖人はその従兄を「花(薔薇)のお兄ちゃん」として慕っていたと
> しても不思議はありません。
> さて、警察の調書では犯人の少年が「祖母の死」をきっかけに人の死に
> 興味を持ったと書かれていたそうですが、
> それはこの従兄の事件と彼の自殺のダミーです。
> 自分が兄と慕っていた従兄がバラバラ殺人事件の共犯者で
> そのために自殺したということが、当時小学生だった一人っ子のシンイチロウに
> 大きなショックと精神的ダメージを与えたとしても、
> ある意味、当然のことだったかも知れません。
> しかし、彼の親、特に母親に多大な問題があったことは否めません。
> 現在、両親は福岡ダイエーホークスの本拠、福岡ドームがある高級住宅街、
> 早良区百道(ももち)に密かに住まいを移し平然と生活しています。
> 知人にはこの事件に関して「今でもあの子があんなことをするなんて信じられない」
> と隠すでもなく、また、悪びれるでもなく平気で話しているようです。
> 問題児に屈折した家庭環境ありとは正にこのことでしょう。