「真面目な彼は何日も何か月も激務でも文句を言わず、前日は何時間も手術して、そんで、夜はその報告書を書いて、寝床に就いたのは午前一時過ぎだったらしい。
 それが、午前三時に叩き起こされた」

「患者は、ニ〇代後半の男性、自分で肛門から直腸内に異物挿入し取れなくなったそうだ。
 その報告でまず凄い精神的ダメージを受けた」

「それでも気力を振り絞って緊急処置をしたらしいんだが、肛門から大便とともに掘り出したのが、その、変な人形、フィギュアだったらしくてな」

「なんと言うか、特定の趣味の者が好む、美少女フィギュアだったらしい」

「それで、その取り出した糞まみれのフィギュアを見た途端、彼はプツンと行ってしまったらしい。
 看護師、じゃなくて補助していた者の話だと、それを見た途端、顔色が真っ青になって、そのまま無言でふらふらと処置室を出て行ったそうだ」