楽しい勉強だけじゃなく、自分に負荷をかける

――結果を出せた要因は?

渡辺 勉強方法は特に変えていません。1月にABEMAトーナメントで渡辺明名人から指名をいただき、ドラフトが発表される前にちゃんと結果を残したかったという気持ちがよかったのかもしれません。

 名人には昨年の大みそかに研究会で教えていただく機会があり、たまたまいい将棋を指せたので声をかけていただいたようです。いまとなって化けの皮が剥がれていると思いますが(笑)、がっかりさせないように頑張りたいですね。

――今後の抱負をお願いします。

渡辺 トップ棋士とたくさん指して、その強さを感じたいです。特に藤井竜王は当たるのは本当に大変で、自分が勝ち上がらないとずっと公式戦で指せないまま人生が終わるかもしれません。一局
ぐらいは指したいですよ。

 自分を唯一褒められるのは、将棋が好きなことでしょう。でも、アマチュアのときとは違います。楽しい勉強だけじゃだめで、自分に負荷をかけないと伸びません。上にいけるように頑張ります。

写真=平松市聖/文藝春秋

(小島 渉)