妖怪の歴史
一反木綿!!
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ヽ|'A`|ノ_
、_し ⌒ー'
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古代・中世では細かい記録はなく、仏教の天魔=悪魔に相当するとさ
れた天狗を除けば、「鬼」ぐらいでしたね。
こちらが妖怪の総称。百鬼夜行に登場したのは、目一つや足一つとい
った種々雑多な異形のモノたち。
神聖なものを指す場合もありましたが、鬼もしくは変化のものが妖怪
に相当した様です。変化単独での使用は、近世からでしょう。
近世になると、妖怪の種類がどっと増えだす。
夜行日は元々中国の習慣ですし、古代・中世の知識人は仏典を根拠に
世の中を理解していましたから、仏典の影響も無視できません。
柳田説等の様に、純粋に日本国内の風土から生まれたとは言えないで
しょうね。
天狗=天魔、鬼=ガンダルヴァやクハンダなどと同じ異類、竜=仏典
にそのまま登場する、と考えれば辻褄は合います。
ノヅチは蛇の類として、ウブメは死者の一形態として捉えられた。
(ウブメも妖怪だという小松先生の御説は現代の見方でしょう)
室町時代に現れた河童もそうですが、ひっくるめて同じ「妖怪」と考え
られるようになるのは、それこそ鳥山石燕の頃からでしょう。
それ以前の『和漢三才図絵』では鬼以外の現在「妖怪」とされているも
のたちが列挙されていますが、独立した項目に並列されていません。
それぞれ、生活環境を同じくする禽獣と併記されています。
なお、今言う妖怪をヨウカイと呼んだ例は近世まで希少です。
あってもそれは「怪異な現象そのもの」を指しました。
近世にはバケモノが一般的です。稀に妖怪という字にバケモノと振り
仮名を振った例がありますが。 妖怪というか、鬼の形態について記したものに『今鏡』があります。
仏教では生命は湿・卵・胎・化のいずれかの生まれ方をするとされてい
ますが、鬼は化生のものとされていました。
妖怪を指して近世に化生(当て字で化粧)のものと呼んだのも同じ。
親を介することなく、自然に生まれてくる存在という意味です。
仏典では仏国土の住人など、娑婆の人間離れしたものが化生とされる。 ボリビアの農村部とかだと未だに妖怪を見たとか妖怪に脂肪を抜き取られた経験がある人が結構いる ロシアでも市民権を得ているようですね。
何を「妖怪」とするのか、文化圏ごとに意見が分かれそうですが。
ペルーでも油を絞るそうですが、絞られた油がナサに送られてロケット
の燃料になるとか、都市伝説が旧来の伝説に混じっているそうです。
日本でも、子供をさらって油で皿を焼くとか言われていましたが。 >8
なにやら、妙齢のご婦人方が殺到しそうな伝説ですね。
日本は八百万の神思想があるからつくもがみを元にした妖怪は昔からたくさんいそうな気がしてたけど
こういうのも最近のことなの?それとも明確な名前付け分類がなかっただけ? >つくもがみを元にした妖怪
器物に霊がつくとしたのは『今昔物語集』の銅器の霊が最古ですが、
これ以外の例となるとぐっと下って室町時代からです。
古代、少なくとも記紀の時代から存在したものではありません。
そもそも器物霊の思想自体、室町時代に中国から伝来したとする説が
あります。確かに中国での器物が化ける話は古い。
それに、今言う「八百万の神思想」自体、本居宣長や平田派によって
伝統として喧伝されてきたものの、実際にずっと伝わってきたかとい
うと疑わしいですからね。 壺が玄関から入っていく話って、「今昔物語集」じゃなかったっけ? >>15
藤原実資が目撃したという、夜道をひょこひょこ油壺が歩いていて、
鍵穴から邸内に入って行き、人を殺したという話ですね。
板や赤い単衣についても同じような話がありますが、器物そのもの
の精ではなく、「鬼」が化けていたということになっています。
人以外のものに化けたという話は、これが最初でしょうか。
これ以降もあまり見ない、珍しい例だと思います。
なぜ『今昔物語集』にだけ出てくるのか・・・。 >>19
『土蜘蛛草紙』の成立が南北朝時代だったと思いますが、あそこでは
器物霊や器物ではない異形の存在もひっくるめて土蜘蛛の一党とされ
ていましたね。詞書が今手元にないのですが。
ただ、土蜘蛛が目立ってはいるものの、近世のように雑多な異類が種
類分けされていたかというと違うと思います。
種類ごとに呼び分けていない。これは大江山の方も同じ。
今考えられる「鬼」以上の雑多な異類が描かれています。 土蜘蛛って日本神話には先住の蛮族としてかかれてなかった?